ラカン研究会の報告

著者: 宇波彰 うなみあきら : 評論家・明治学院大学名誉教授
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 去る7月28・29の両日、東京中野のアソシエオフィスで、当研究所主催による第一回ラカン研究会が開かれた。以下はその簡単な報告である。
この研究会は、ミシェル・フーコーの『言葉と物』をテクストにして行ってきた研究会が発展したものである。ラカンの「セミネールXI 精神分析の四基本概念」(1964年)をテクストにして、同じ部分を三人の参加者が、それぞれの立場から解釈し報告するという方法で行うことにした。これは一種の実験的なこころみであったが、重要な論点について共通の認識が存在しうること、独断的・一方的な見方が自ずから批判されることなど、かなりの効果があることがわかった。参加者相互にとって蒙を啓かれる場となったと考えられる。また、特別に参加して、適確な助言をして下さった向井雅明さんに、厚くお礼を申し上げたい。
次回は11月もしくは12月に予定しているので、関心のある方はぜひご参加下さい。
8月13日