中国擁護のわけ その2

オバマは日本やベトナムやフィリピンを巻き込んで南沙諸島問題を持ち出して中国を封じ込めようとした。その後を受けてトランプはインド洋にまで手を広げ中国を封じ込めようとしているがインドが米日の誘いに応じず中立主義を装っている。インドの非同盟中立の伝統は独立以来である。

ところで最近,中国悪者論が横行しだしたように思われる。固より小生は中国礼賛者ではないが,中国共産党政府成立の歴史を考えた場合,にわかに高まった中国悪者論に対して中国を敢えて擁護したいと考えた次第。

また最近,朝堂院大覚総裁が主催するJRPテレビで幸福実現党の及川氏が中国西部のヤルカンドで大虐殺が行われ,百万人ほど収容所に入れられ,中国同化政策が行われている旨の発言をされた。

ヤルカンドの虐殺が本当かどうか確かめる手段がないが,最近イスラエル軍によるガザ住民銃殺というホロコストがあり,ミャンマ-政府によるロヒンギャ虐殺も報道されている。国連人権委員会ではミャンマ-より酷いヤルカンドの状況が一番問題になっていると及川氏は指摘する。

イエメンでは米英軍に海上封鎖されて同国の子どもたちは餓死寸前であり,薬品も手に入れるのにままならないようだ。ならばなぜヤルカンドが一番問題なのか良く分からない。

他方,シリアではウィグル地区出身の過激派がISISらと共に米軍から軍事訓練を受けている。その過激派が戻ってくることを北京政府は恐れている。かつて中国では法輪功が禁止され,香港では雨傘革命があった。後に雨傘革命の指導者はCIAから資金を貰っていることを認めた。

中印国境紛争をはじめ,チベット問題,南沙諸島,ウィグル過激派問題,香港雨傘運動などほとんど全て米国CIAがその背後に居て煽っている節がある。

米国はNGOなどを使って相手国の政権を不安定化した後,攻め込み政権転覆を図ってきた。北京政府がチリやユ-ゴスラビア(中国を最初に国家として認めた)やリビア等が転覆されたような政権転覆を恐れている事は明らかである。現にシリアではホワイト・ヘルメットなる集団が,全米民主化基金の支援を受け,毒ガス兵器の偽装工作をして,近いうちにまた偽装事件を起こそうとしている。その狙いはアサド政権を倒すことである。

昔青年の頃,中国国境警備隊が逃げていくチベット人を射殺する映像をTVで見たことがある。しかし本当に撃ったのが国境警備隊なのか,射殺されたのが本当にチベット人であるのか誰も確認できない。ただ,ナレ-タ(語り部)がそのように説明しただけである。今となっては中国脅威を宣伝するための,CIAによるプロパガンダ映像であったと考えている。

情報戦真っ歳中で,一般の人々が確かめようがない,経済的にも時間的にも容易には行くことができない砂漠地帯あるいは山岳地帯の話を持ち出して非難する中国脅威論に対していくらか中国を擁護したいと,喀什(カシュガル)に行ったことのある小生は考える。