中断していた「大間原発」建設再開に驚く

著者: 池田龍夫 いけだたつお : 毎日新聞OB
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野田佳彦政権は先に「2030年代の原発稼動ゼロ」を発表したものの、核燃サイクル維持など多くの矛盾点が指摘されている。福島原発事故後、建設中だった原発3基の工事は中断していた。その1つのJパワー(電源開発)は10月1日、大間原発(青森県大間町)建設再開を明らかにした。

Jパワーの北村雅良社長は「大間原発は原子力燃料サイクルの一翼を担う重要な発電所だ」と強調。同原発は、使用済み核燃料再処理でできたプルトニウムとウランの「混合酸化物(MOX)燃料」を使って発電する計画で、発電開始となれば世界初の「フルMOX原発」になるという。もう1つの問題点は、大間原発を40年間動かせば、「30年代原発ゼロ」の目標は達成できない。景気よく「建設再開」を打ち出したものの、野田政権の原発政策は矛盾だらけだ。

津軽海峡を挟んで位置する北海動側自治体は深刻で、特に大間から約23㌔に位置する函館市の工藤春樹市長は1日、建設差し止め訴訟を準備していると表明した。建設再開がすんなり運ぶとは、とても思えない。

原発推進派のゴリ押しを許してはならない。野田政権は「新エネルギー政策」の抜本的見直しに踏み切るべきである。

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