新着情報 No. 37, 2019年4月6日
井上明久東北大学元総長の3つの論文が日本金属学会欧文誌編集委員会から撤回措置されたことが2019年3月25日に公表された。これを受けて柴山昌彦文部科学大臣が、また井上元総長の研究に研究資金を提供した濱口道成JST(科学技術振興機構)理事長が記者会見でコメントした。この新着情報ではこれらのコメントについて紹介する。この新着情報は関連連載記事の第2号である。
[文科大臣の記者会見]
芝山文科大臣コメント
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1414997.htm
(動画の10分12秒頃から該当部分が始まる)。
[JST理事長発言]
上述したように、撤回された第(1)論文は、文部省(現文科省)の特定推進研究の、第(2)論文(Materials Transaction JIM, Vol.40, No.12 (1999), 1382-1389)、第(3)論文(Mater. Trans., JIM 41 (2000) 1511-1520)はJSTを代表する研究プロジェクトERATO研究資金を用いた研究成果であった。朝日新聞記者は会見でJSTへの対応をどうするのかも質問している。これに大臣は全く答えていない。3月29日付の同紙(東京本社版、朝刊35ページ)によると、JSTの浜田道成理事長は「四半世紀前の論文だから調べない」と言い放ったという。論外である。フォーラム関係者は2010年の時点で既にJSTに第(2)論文の研究不正を告発していた。これまで繰り返し指摘してきたが、JSTはこの問題を自ら主体的に調査をせず、井上元総長や東北大学が組織ぐるみで不正を隠蔽してきたことを批判することも一度もなかった。それだけに時間切れを理由に濱口理事長が研究資金提供機関としての責任を放棄するような発言をするのは許しがたい。
初出:「東北フォーラムホームページ 井上[元]総長の研究不正疑惑の解消を要望する会」より許可を得て転載:https://sites.google.com/site/wwwforumtohoku3rd/
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔study1029:190407〕