2050年には世界の人口は90億人に達するとの推計を国連が出しているが、ワシントンDCに本部を置く「アース・ポリシー・インスティチュート」(Earth Policy Institute)のレスター・ブラウン所長は、未来を考える「世界食糧デーに食べものについて知っておくべき事柄を発表した。
その事柄とは、「①世界の総人口は1日ごとに21万9000人ずつ増加②新興諸国の所得増加により30億の人々が大量に穀物を消費し、先進諸国並みの家畜や鶏肉の消費に移行している③インドでは1億9000万人が地下水を過剰に汲み上げて生産する食糧に依存している④ナイジェリアでは満足に食事にありつけない家庭が27㌫に達している⑤水の安全供給は地球上の食糧増産に喫緊の課題。――と世界に呼びかけている。
さらにブラウン所長は▼現在、世界の耕作地のほぼ3分の1は土地本来の持つ肥沃な表土を急速に失っている。▼農民は人間が引き起こした気候変動に直面することになる最初の世代である。人類が農業を始めて以来、ヒマラヤ山脈などアジア地域の氷河の溶解は食糧生産に測り知れない脅威となりつつある。▼ここ数10年増え続けてきた単位面積当たりの穀物収穫量は2000年前後を境にして鈍化している。▼人口爆発地帯を抱える西南アジア、アフリカを中心に世界の食糧問題現状は困難か危険両方の状態に直面している。―――と、具体的に問題点を指摘した
また、気候温暖化を阻止するために、「世界の指導者は2050年までに現在の炭素排出量を80㌫削減しなければならない」と力説している。
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