2012年7月3日 連帯・共同ニュース第270号
■ 「何年かぶりだな。元気していたか」。笑顔よりも先に相手の手を握っていた。人の渦の中で懐かしい顔と出会う。短い話だけで別方向へと分かれるが、何年かぶりの友人に次々に会う。6月29(金)首相官邸前の集まりに於いてだ。もう僕らのような年になると昔の友人と顔を合わせるのは冠婚ならぬ葬祭ということになるが、こういう運動の場面で出会えるのは嬉しいものだ。僕らは若い日に国会に詰めかけた年代だが、正直言ってもうそんな機会はないと思っていた。別に年寄りじみたことをいうつもりはないが、世代的なつながりが横と縦とに出来ることは喜ばしいことである。20万人近いと言われた首相官邸前の再稼働に抗議する集まりの一齣である。この日は「原発いらない福島の女たち」等の「一票一揆 女が政治も暮らしも原発変える」という午後から行動もあり、その後の官邸前行動に合流した。若い人たち、子供連れの女人たちの多さに驚きながら、国会を取り巻いた1960年の日々を想起していた。「あのころと比べてどうですか」という質問を何人から受けたが、人々の自発的な意志の結集というところが違うのだろが、その点は今の方が断然いいと思うと答えた。この脱原発運動はかつての安保闘争とは別の形で歴史を書き換えて行くであろうが期待も出来る。これからも次々に再稼働が画策される原発であるが、その一つ一つと対峙しながら、国民の意志と声を結集し、原発再稼働→原発存続という動きを止める運動に発展して行くと思える。再稼働阻止を焦点にしながら展望を開いて行けると思う。
■ 毎週金曜日には首相官邸前の行動は続けられる《今週は7月6日》。7月7月(土)の七夕は経産省テント前から首相官邸に向けた行動も予定されている。17時テント前、18時首相官邸前。16日(祝)には「さよなら原発10万人集会」(代々木公園)もある。さらに7月29日(日)には国会大包囲行動がある。暑さが激しくなって行くが負けずに参加してもらいたい。6月29日には首相官邸前の人々の列が経産省前テントとつながった。帰りには多くの人がテントに立ち寄ってくれた。こうした中でテントは存続している。こちらには足を運んで欲しい。
■ 国会では小沢一郎を中心とする民主党メンバーの離党問題が大きな話題となっている。小沢グループは民主党内で再稼働に反対した中心グループでもあり、野田政権の原発再稼働→原発保持政策と対峙する運動の面からもその動静に注目したい。民主党は国民の異議申した立てと党内の動揺に対して強権化を強めるかも知れぬ。(おおい町での現地報告は別号で)。 (文責 三上治)