2012年9月24日 連帯・共同ニュース第288号
■ 自民党の総裁選の候補者の街頭演説の模様がテレビに映っていた。尖閣諸島問題があたかも日米同盟がガタついた結果でありその強化を訴えていた。対中国強硬論と集団自衛権の行使が彼らの方針であり、アメリカの対アジア戦略への転換を地で行くような戦略だ。ここには尖閣諸島を対中国・対アジア戦略の要に押し上げる意図が明瞭である。尖閣諸島をめぐる動きを、その背後にあるものを含めてすかし絵のように浮かび上がらせ読みとらなければならない。尖閣諸島問題で日中のナショナリズム的な対立を誰が演出しているかはっきりさせなければならない。領土帰属の帰属争いではなく、棚上げから共同帰属―共同開発という道で解決を目指さなければならない。迂回路に見えてもこれが歴史的な王道であることを主張せねばならない。と同時にこうした事件によって影を薄くさせられている震災の復興であるが、これこそが僕らの中心的な政治的、社会的課題であることを強く語らねばならない。とりわけ、福島原発事故とその解決が依然として最重要な課題であることを明瞭に言わねばならない。尖閣よりも福島である。領土帰属問題より原発の是非が優先事であるのだ。僕らはあえてこのことを今、強く語らなければならない。
■ 東日本大震災や原発震災への人々の関心は薄れる傾向にあると報じられているが、福島原発事故の場合は当初から原発事故を小さく見せようと意図が動いていた。情報の隠蔽や過少に見せる操作は現状でも続いているのである。これには全国原発の再稼働という原発推進の意図があり、特に原子力ムラの戦略(シナリオ)が働いてきたのである。子供たちの被曝の結果である甲状腺の異変についての報道の隠蔽などはその最たるものである。2012年の3月に発足した福島原発控団は1324人の告訴人を集め6月11日に第一次告訴をした。より多くの告訴人を集めその全国的に広める闘いが進められている。参加のための用紙などはテントひろばにも用意されている。「9月30日(日)3・11福島事故から学ぶ―福島・首都圏の集い(13時~、日比谷図書館地下コンベンションホール・参加費500円)」をテントひろばは開催する。「原発いらない福島の女たち・放射能から子供たちを守る福島ネットワーク・福島集団疎開裁判・飯館村住民・希望牧場主・双葉町井戸川町長等」から福島の生々しい現状が報告される。今こそ福島を認識しよう。国会周辺ではオスプレイ強行配備に対する抗議行動が連日予定されている。情報で確認して参加を。「9条改憲阻止の会」では総会を行う。10月28日(日)10時~場所は早稲田キリスト教会館。 (文責 三上治)