仏風刺週刊紙シャルリー・エブド襲撃事件に関して、急転直下の惨劇がありました。
報道に依りますと、フランスのパリ北東ダマルタンアンゴエルの印刷会社に立てこもっていた仏風刺週刊紙銃撃事件の容疑者兄弟が9日、治安部隊の突入によって殺害され、またパリ東部のユダヤ系食料品店で人質を取り立てこもっていた容疑者も殺害され、人質4人が犠牲となった、とのことです。
仏週刊紙銃撃犯殺害、食料品店の容疑者も死亡・人質4人犠牲 Reuter 2015年 01月 10日 08:13 JST
一連の惨劇を観ながら事件の見方を変えなければならないかも知れない、と思われます。
何故なら、イスラム原理主義に基づく風刺への制裁と単純に捉えるだけでは無くて、西側諸国のISISへの攻撃に対する反撃を世界的に企図したものの一環であると見ることも必要であるとの徴証が報道中に散見されるからです。
警察特殊部隊(国家憲兵隊:ジャンダルムリGendarmerie中の治安介入部隊:GIGN:Groupement D’Intervention De LaGendarmerie Nationaleと観られる)の突入時に射殺されたアメディ・クリバリ容疑者が、「死亡前、BFMテレビに電話をかけ、過激派「イスラム国」に忠誠を尽くしていると語った。」とされることが一つありますし、もう一つには、更に詳細に「BFMTVはパリ東部ポルトドバンセンヌ(Porte de Vincennes)のユダヤ系食品店で人質を取って立てこもっていたアメディ・クリバリ(Amedy Coulibaly)容疑者から話を聞くことにも成功。その際、クリバリ容疑者は同テレビ局に対し、自らをイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」のメンバーだと述べ、クアシ兄弟と「協調していた」と主張したという。」報道があるからです。
更には、「英情報局保安部(MI5)のパーカー長官は8日、シリアのイスラム過激派組織が欧米で無差別攻撃を計画していると述べた。」との報道と併せて観ると、現時点で、世界的な反撃を企図し計画し実施しつつある、と観るのが妥当でしょう。
シリアのアルカイダ系組織、欧米で無差別攻撃計画=英MI5長官 Reuter 2015年 01月 9日 11:31 JST
仏週刊紙襲撃、「アラビア半島のアルカイダ」が指示か AFP 2015年01月10日 05:25 発信地:パリ/フランス
相手は、不正規戦を戦っているのですから、当然のことに「敵の中に味方を作り、味方の中に敵を作らず」(孫子)を地で行っているのです。 フランスのようにイスラム系移民が多い国では、敵の中に味方を作り易いでしょうし、攻撃対象もユダヤ系の多い処なら選定に困らないでしょう。
これで、ISISを空爆した諸国では何時テロが生起しても不思議では無くなりました。 さて、安倍政権には、このような不正規戦を戦う準備はあるのでしょうか。
それにしても、フランス警察は、対テロの取り締まり・鎮圧には馴れていないのか、犯人二、三名を相手に苦戦しましたし、犠牲が多いです。 国内で多数のイスラム過激派が蜂起した場合には、どうなるのでしょうか。 日本も対岸の火事と傍観せず対策を講じておくべきでしょう。 これから先、安倍政権のせいで、同じ憂き目を見ることになるのですから。