四国電力の伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)の再稼働に反対する「STOP伊方原発再稼働!11・1全国集会in松山」が11月1日、愛媛県松山市の城山公園やすらぎ広場で開かれる。主催は地元の団体「伊方原発をとめる会」(事務局・松山市)だが、東京に本部がある脱原発運動諸団体もこれに協賛して参加者を派遣する。九州電力・川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に続いて伊方原発の再稼働を許せば、日本はこのままずるずると東京電力福島第1原発の事故以前に戻りかねない、との危機感を高めているからだ。
東日本大震災にともなう東電福島第1原発の事故から4年7カ月。事故収束の見通しが未だに立たないのに、安倍政権は全国に48基ある原発について原子力規制委員会が新規制基準を満たすと認めた原発の再稼働を急ぐ方針で、8月11日には川内原発の1号機が、10月15日には同原発の2号機が、それぞれ再稼働を始めた。
安倍政権が次に再稼働させたいのは、四国で唯一の原発である伊方原発の3号機。すでに原子力規制委員会が新規制基準を満たしていると認め、地元の伊方町議会、愛媛県議会も再稼働に同意、10月22日には伊方町の山下和彦町長が中村時広知事に再稼働に同意する考えを伝えた。
毎日新聞によれば、中村知事は「非常に重い責任を背負う中での決断だと推察する。町長の思いをそのまま受け止めたい」と答えたという。同紙は、知事は早ければ週明けにも同意を表明する公算が大きい、と伝えている。知事が同意すれば、伊方原発は再稼働に向けて一気に進む。
これに対し、伊方原発をとめる会は「住民の安全が確保されていません。住民防護と避難は(原子力規制委の)審査対象とされず、避難計画は机上の空論です。広範な地域の住民が不安を感じ反対の声をあげています」と反発している。
このまま推移すると、伊方原発の再稼働は来年1月~3月になるのでは、というのが脱原発運動関係者の見方だ。このため、脱原発をめざす諸団体は、この時期に向け共同して再稼働反対の運動を全国的に盛り上げたいとしている。今度の全国集会への参加はその第1弾となるわけで、協賛団体関係者は「松山集会では、1万人は集めたい」と言っている。
STOP伊方原発再稼働!11・1全国集会in松山に協賛する脱原発運動諸団体は4つ。作家・大江健三郎さん、作家・落合恵子さん、ノンフィクション作家・澤地久枝さん、ルポライター・鎌田慧さん、経済評論家・内橋克人さんらを呼びかけ人とする「さようなら原発1000万人アクション」、全労連、民医連、新婦人などが中心の「原発をなくす全国連絡会」、個人が中心の「首都圏反原発連合」、それに、全国各地の脱原発団体による情報交換のための連絡網である「再稼働阻止全国ネットワーク」。これらの団体は、2013年から、東京を中心に統一して集会を開くなど、脱原発のための共闘を続けている。
初出:「リベラル21」より許可を得て転載http://lib21.blog96.fc2.com/
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye3115:151026〕