価値の「存在」について

中野@貴州さん

価値の現実的な力ってなんなんでしょう。

 

商品世界の住人に明らかなのは価格ではないですか。

それをわざわざ、本質としての「価値」の表れとする意味が分からないです。例えば労賃。再生産費としての基準となる「価値」が備わっているのでしょうか。現実世界では労働者に対する需要次第で幾らでも低下する。それに対しては法的なセーフティーネットで規制している。基準があるとするのは却って調和論になりかねない。

 

効用価値論もとくに初期のそれは効用の等価交換節に依拠しており、形而上学的色合いが濃かったのではないか。顕示選好なら可測な「はずだ」というのが現代的な効用理論ですがあくまで「はずだ」の世界に留まっている。

価格の運動の「背後」に、何らかのそれを規制する検証不可能な「実体」を求める思考はすべて形而上学でしょう。