侵略戦争も「祖国の防衛」ですか? 「神聖な国民の義務」ですか?

(2023年1月10日)
 本郷・湯島の皆様、こちらは「九条の会」です。年は新たまりましたが、目出度くはありません。お年玉の代わりに、大軍拡大増税というのですから。その皺寄せは、福祉や教育の予算を削減となるでしょう。物価は上がる、賃金も年金も追いつかない。コロナの勢いは止まらない。安心して暮らせません。

 そして、何よりも平和が危うい。今、ウクライナでは現実に、砲弾が飛び、ミサイルの攻撃が行われています。おびただしい人が死に、血が流されています。人類は、何と愚かなことを繰り返していることでしょうか。日本にとっても、他人事ではありません。

 この事態に最も重い責任を負うべきは、言うまでもなくロシアのプーチンです。皆さん、そのプーチンの年頭所感をお聞きになりましたか。彼は、ウクライナへの侵略者でありながら、国民には「祖国防衛のための軍事行動だ」というのです。「祖国の防衛はすべての国民の神聖な義務である」、「祖国の防衛は、次の世代の国民への神聖な義務である」などと。

 今ロシアがウクライナで行っている軍事行動は、明らかに侵略戦争と言わねばなりません。それを彼は、「祖国防衛行動」と言っています。これが権力者の常です。「侵略戦争」を「自衛のためのやむを得ない軍事行動」と言うのです。自国は常に正しい被害者で、国境を越えて出兵しても「やむを得ない自衛の行動」だという。そうしなければ攻め込まれるのだから、と。まるで、「自衛のための敵基地攻撃能力論」ではありませんか。

 皆さん、欺されてはなりません。悪徳商法の甘い言葉にも、統一教会やその同類のカルトが語る因縁話や献金勧誘にも。そして、最もタチの悪い政権のウソにもです。

 かつて、日本の国民の全てが欺されました。天皇が神であるとか、日本が神国であるとか、戦争すればカミカゼが吹いて日本は必ず勝つとか。荒唐無稽な嘘っぱちにダマされての戦争で、310万もの命が奪われました。それだけではなく、2000万ものアジアの人を天皇の軍隊が殺しました。もう、再び欺されてはなりません。

 軍事予算を倍増し軍備を拡大し敵基地攻撃能力を誇示することで、中国やロシアや北朝鮮との平和が作れるでしょうか。戦争になってもよいということなのでしょうか。岸田内閣には、安全保障政策の大転換を勝手に決めるなと、声を上げようではありませんか。

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岸田政権にだまされるな

「本郷湯島九条の会」石井 彰

 新年初の「本郷湯島九条の会」の昼街宣は、北西の風5mのなかで、8人の方々によっておこないました。温度は10度近くありましたが、風が冷たいひとときになりました。
マイクは、岸田文雄政権による戦後安全保障政策の大転換を訴え、「欲しがりません、勝つまでは」、「神風が吹く」といわれた戦前と同じように国にだまされてはいけない、と訴えました。
いまアメリカの軍事戦略にそって岸田政権は、安全保障法制という戦争法で「集団的自衛権の行使」に基づいて、「敵基地攻撃能力保有論」を国民に迫っています。敵基地攻撃能力を持つことをアメリカに誓約した政府は、軍事費を国内総生産GDPの2%にすると言いだし、2023年から27までの5年間で43兆円の軍事費にします。これはアメリカ、中国に次ぐ世界第3位の軍事大国になることになります。これが政府の言う「専守防衛」の真実です。「自分の国は自分で守る」と岸田文雄首相は言いますが、政府がアメリカに誓約したのは、アメリカのおこなう戦争に付き従い、その先兵として「敵を先制攻撃」するというものです。それは暮らしと経済の破壊をもたらすことは必至です。
 さらに日米安全保障条約第5条で、「共同防衛」という名の日本の自衛隊がアメリカ軍の指揮下で先兵の役割を果たすことになります。
 今こそ、日本国憲法第9条を守り、アジアへ世界へ発信するために日本の役割はあります。

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[プラスター]★先制攻撃の敵基地攻撃能力保有はやめろ、★国にだまされるな、★岸田文雄首相にだまされるな、★国民が苦難を強いられているのに軍拡を進める岸田は止めろ、★軍事費を増額するというなら国民に信を問え、★岸田文雄政権は退陣しろ、★新型コロナに対してちゃんと対策を立てろ。

初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2023.1.10より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=20595

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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