個人番号制を巡る鈴木正朝氏と私の対談~今朝の『毎日新聞』に掲載~

 一つ前の記事、「全国の大学教員有志:日本政府にTPP参加交渉からの即時脱退を求める運動を開始」も併せてご覧いただけるとありがたい。
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/tpp-aaa8.html

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 3月22日に衆議院で個人番号制(マイナンバー)法案が審議入りした。これについて、今日(2013年4月1日)の『毎日新聞』朝刊の6面に、鈴木正朝氏(新潟大学法学研究科教授・情報法専攻)と私の対談が掲載された。司会は山田健太氏(専修大学文学部 人文・ジャーナリズム学科教授)。同じ6面には司会をされた山田氏の論説も掲載されている。
 メディア法・メディア論が専門のお二人を相手に、門外漢の私が対談というのは、おこがましい気がしたが、私も、一昨年来続いた消費税増税の法案審議の過程で、低所得者対策の「切り札」かのような位置付けで議論された「給付付き税額控除」を採用する場合に必要とされる個人の所得を把握するための納税者番号制について研究をした(拙書『消費増税の大罪』2011年、柏書房、第3章)。
 目下のところ、消費税増税にあたっての低所得者対策としては、「給付付き税額控除」に代えて、所得の捕捉を必要としない「軽減税率」を採用する案が浮上している。そのため、納税者番号制の利用目的をこれまでと同様には説明できない状況になっている。しかし、それでも個人番号制の推進論者は番号制を「小さく産んで大きく育てる」「種まき」と捉えているふしがある
 番号制推進論者を自認した鈴木氏と番号制に根本から異議を唱える私の対談は、紙面の制約から2時間余り論じ合ったすべてが掲載されたわけではないが、それぞれが率直に意見をぶつけ合った形になっている。こうした賛否の見解を突き合わせてお読みいただき、結論の違いもさることながら、その根拠を注視していただくことにより、個人番号制の可否を判断する一助としてもらえるなら幸いである。

初出:「醍醐聡のブログ」より許可を得て転載
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion1220:130401〕