傍聴報告:第7回原子力規制委員会-問題の多い放射性物質の拡散シミュレーション試算結果など 

[転送・転載歓迎/重複失礼]
(会議資料 → http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/20121024.html

なお、23日(火)に開かれた大飯原発破砕帯調査に関する有識者会合の
議事録が規制委員会ホームページに掲載されています。
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/ooi_hasaitai/data/20121023-ooi.pdf

また、本日25日(木)13:30~16:30には 「利益相反組」の阿部豊、山口彰
を外すことのないまま、原発再稼働に直結する「新安全基準検討チーム」
の第1回会合が行われます。傍聴される方は厳しい監視をお願いします。
Ustream中継もありますのでご注目ください。

<原子力規制委員会Channel>
http://www.youtube.com/watch?v=l8AOSrhz6Tg&feature=plcp

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みなさま(重複失礼、転送歓迎です)

FoE Japanの満田です。
昨日(10月24日)の第7回原子力規制委員会の報告です。
議題は下記の通り。
(1)新たな原子力安全規制制度の整備について
(2)原子力災害対策指針(素案)について
(3)放射性物質の拡散シミュレーション試算結果について
(4)緊急派遣訓練における委員の指摘の対応について
(5)地震・津波関係設計基準の策定について

資料は:
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/20121024.html

<ポイント>
○原子力災害対策指針(素案)について
年内にパブコメもなしに策定するようです。会場からは、「市民の声をきいて」
「被災者自身からのヒアリングをすべき」「避難をきっちり位置づけて」「20ミ
リシーベルトの撤回すべき」などの声が。この指針をもとに、対象自治体が防災
計画を年度内に策定。再稼働のための条件整備か?

○放射性物質の拡散シミュレーション試算結果について
福島原発事故での放射性物質の放出量が各原発から放出された場合+出力に応じ
た場合。気象条件を勘案。地形は考慮せず。
大問題です。なぜ、10時間1グレイ、7日間100mSvというIAEA基準を使うのでしょ
うか?また、木村(雅)さんによれば、風速などは、平均されてならされてしま
うとのこと。

○地震・津波関係設計基準の策定について
これもまた、シビアアクシデントと同様、7月までに策定のようです。こんなに
拙速でいいんでしょうか?

○最後に田中委員長から:
今後、原発に批判的な有識者、事故調などから幅広く有識者に参加して意見を言っ
てもらうとのこと。会場からは、「NGOも加えてくださいね!」(これは氏家
(雅)さん?)

下記、ツイートまとめからの抜粋です。
http://togetter.com/li/395214

新たな原子力安全規制制度の整備について、規制庁山田課長が説明。
http://t.co/a2tSFSj6 改正原子炉等規制法は、規制委設置後、10か月以内に施
行。それまでに規則等の整備が必要。「検討チーム」により、公開の場で議論。
パブコメにかける。交付・施行は来年7月

最新知見に基づく規則の実施、事業者自らによる安全性向上への取り組みなど。
原子力安全規則の原子炉等規制法に一元化する。 (原発ゼロを目指すとしてい
る中、原子炉の設置許可、工事計画認可などを論じることに違和感。完全に再稼
働ありきのルールづくりに見える。10か月というのも拙速だ)

更田:実効的な規制を進めていくために必要不可欠。総合的な安全評価というの
は新たな取り組み。田中委員長:基本は事故を起こさないための安全規制。
議題1終わり。はや。

議題2:原子力災害対策指針(素案)について http://t.co/tKOg57gZ
(相変わらず避難基準については触れず、避難による悪影響の防止などを強調し
ているようにみえる。) 田中:各自治体からのご意見をふまえてよくなってき
た。これに基づいて防災計画を各自治体がつくるときにマニュアルが必要。

事務局:年内にEAL、OILなどを定めていく。国として自治体との調整・協議をす
すめていく。中村:明確な文章となるように指針づくりを進めている。軸がぶれ
てはいけない。根拠もはっきりと。関与される自治体の計画策定をお手伝いする
サポート資料も必要。

(被災者の声をきくべき。市民の声をきくべき。パブコメかけて、福島の現状を
分析するべき、との不規則発言。どうやらパブコメにはかけないらしい)

議題3:放射性物質の拡散シミュレーションの試算結果について
http://t.co/eSRRG9Ag 問題の多いシミュレーション。要注意
放射性物質の拡散シミュレーション。地形は反映されていない。福島1~3号機
の事故で放出された量がそのまま各原発で放出された。プラス出力に応じた放出
量。米NRCが使用するMACCS2を利用。
放射性物質の拡散シミュレーションIAEA 急性症状がでる10時間で1グレイとい
う臓器の基準、7日間で100mSvという基準を。泊の例では、19.6kmのところ。指
針の素案でしめしている30kmを円で。(30km内におさまっている)
http://t.co/RSXahsNh

島崎:重要な成果が得られた。地形なども踏まえ地元が環境に適応した避難を考
えられるようにしてほしい。原発は海岸にあり海風・陸風の影響が大きい。天候
にもよる。地域、年間を通じて違う。防災関係者の共有できる。事務局:SPEEDI
による検証も考えたい。規制庁とJNES構が共同でやった。

議題3終わり。早すぎる。所感:なぜ、IAEAの基準なのか。10時間1グレイ、7
日間で100mSvは非常識に高い値だ。また、実際に用いられたのはICRPの基準だ。
委員からこういう指摘がでなかったことは驚きだ。彼らは「被ばく」に関しては
徹底的に鈍感な人たちだ。

次の議題:地震・津波関係設計基準の策定について http://t.co/8Gi3p4Oo 検討
チームで検討。骨子を年内。4月にパブコメ。原子力規制委員会規則などに盛り
込む。島崎:最新の知見を踏まえてなるべく厳しいものを。これまでの指針・手
引きを正しく守っていれば、定義をかえても変わらない。いままでの指針の適用
の手法が間違っている。12~13万年以降に動いた証拠がないとしたとしても、そ
れが否定しきれない場合は活断層である。(よし。)

最後に田中委員長:「独立性」は重要だが、独りよがりになってしまってはいけ
ない。中立的にいろいろな意見をきく必要がある。さまざまな外部有識者の意見
をきいて今後の委員会の活動の参考にしたい。国会事故調、政府事故調、民間事
故調、在野のいろいろな意見の人。幅広い外部有識者の意見をきいていきたい。

島崎:大切なことを5人だけで決めていくことはたいへんなこと。いろいろな意
見に耳を傾けることは必須のこと。中村:情報を共有することが大事。更田:す
でにシビアアクシデント新基準については、委員会で意見を承ることになってい
る。より広い議論について、有識者の意見を求めることは必要。

※関連※原子力規制委員会宛に質問要請書を提出~避難政策の見直し、大飯原発
の運転停止、公安による市民の監視をやめることなど6項目
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-721c.html

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion1046:121025〕