再稼働阻止(原発ゼロの実現)まであと一押しだ!

2012年4月20日 連帯・共同ニュース第247号

■  いつの間にか霞ヶ関周辺は桜も葉桜に変わり、新緑の季節に入ろうとしている。経産省前テントひろばでは政府の大飯原発再稼働に反対する集団ハンストのメンバーを中心にした座り込みが続いている。大飯原発の現地の大飯町大島に出来上がったテント村は六つになり、全国からの支援の声も増えている。5月5日の全原発稼働停止まであますところ二週間になった。政府は5月5日までの再稼働をあきらめたわけではない。あまりに稚拙で事を急ぐ政府に対する批判の声の高まりに戸惑いが見え始めているだけである。泊原発3号機の停止による原発ゼロのところまではあと一押しである。あらゆる形での意思表示を行い原発ゼロの実現をしよう。

■  確かに5月5日に原発ゼロが実現したにしてもそれで今後が保障されるわけではない。再稼働問題は第二のステージに入るだけである。しかし、政府が再稼働の根拠としてきた「電力不足」等の理由が薄弱であることを露呈する。やがては消える原子力安全―保安院や原子力安全委員会によってつくられた安全基準のいい加減さもより明瞭になる。原発の存続の是非、再稼働是非をめぐる議論が一段と高まるのである。僕らが再三にわたって強調してきた原発再稼働→原発存続という経産省と原子力ムラの戦略にたいして第一ラウンドでの勝利を実現する。このことの意味は大きい。再稼働問題が第二ラウンドに移行するだけであってもそこでの僕らの戦略は明瞭になる。原発存続という根本問題を先延ばし、再稼働→原発存続の既成事実の積み上げという経産省と原子力ムラ、これに主導される政府のシナリオ《戦略》と対峙して行くことは容易ではない。時による原発問題の風化も計算にいれた体制や権力の戦略と対決し抜くことは困難なことだ。しかし、原発の存続を支えてきた神話や根拠が崩壊し、人々の意識が変わるとき困難さも破られ道も開けてくる。再稼働に対する国民の意識がこれほど急速に高まることを政府や官僚たちは想像できなかったのだと思う。国民の脱原発意識の深まりと原発存続理由の曖昧さの露呈。僕らはこの経験を自信に変え第二ラウンドの脱原発運動路線の糧にできる。だから今勝利が必要だ。

■  経産省前の「集団ハンスト」は山場というべき段階にはいる。最長七日間をやり抜くEさんを先頭にこれは続く。多くの人たちに守られながら5月5日に向かう。大飯原発ある現地ではテント村の闘いが続く、23~24日には現地支援のツアーも予定されている。どんな形でもいいが、テント前に足を運び5月5日までの闘いを。今年の連休はテントで。  (文責 三上治)