安倍が前夜祭の領収書で「上様」宛のものがあると答弁し、産経新聞が２月２１日付記事
で、そのうちの一枚を入手して写真を公開している。「首相の答弁と一致」をヘッドライン
で強調。記事中でも安倍後援会事務所側で実際の発行を「代行」したとしている。
この領収書が捏造であるとの指摘もネット上にあふれているが、ここではその議論に立ち入らない。この写真一枚の範囲で捏造かどうか判断するには材料が乏しすぎる。写真では判別しがたいが、記事によると日付は「’14,4,11」で2014年（平成26年）の前夜祭で発行されたモノだという。
ここでまず指摘しておきたいのは、まさに宛名の「上様」。なぜに「上様」なのか。今時の
企業で「上様」領収書は経理部門が受け取らない。いつ誰と何故いくらというのが、明確
でない領収書は、企業統制上今般拒絶されるのが普通であり、ホテル（ANA）側も通常は
空欄や「上様」領収書など同じ観点から発行を控えるものだ。それなのになぜ敢えて「上様」
なのか。二つ考えられて、８００人分の領収書を手書きするのが到底出来ないから、手抜きで「上様」これなら、前もって準備もできるというもの。名目の「夕食懇談会として」と合わせて、前もって金額、日付も一緒に枚数分手書きしておいたんでしょう。もう一つは、上様にして税務署のトレースを回避しようという目論見があったというもの。「XXX興業」とか具体的に書いてしまうと、宛先にまで、万が一にしても、税処理が適切に行われているか、追及の手が及ばないように先手を打った、これも大いにあり得るだろう。
（消費税370円は計算あっている。5,000円‐5,000円X（1÷1.08）＝370円也）
更に名目の「夕食懇談会として」というところに注目したい。これは実にビミョーな表現で、ホテルが通常用意しているのは「お食事代」のスタンプでそれがそのまま使えれば、手間も省けるというものなのだが、この場合あとの経費処理で先に指摘したインチキ「交際費」処理に持ち込まざるを得ない。なので「懇談会」をくっつけてなにか業界だとかなんかの夕食も出た会合に出席したことにして、「会費」で処理できるようにもくろんだのがミエミエではないか。
「懇談会」だけであると、ホテル側にはそんな集まりを開催する名目がないから、私文書偽造に当たってしまう。そこでホテルとしても「夕食」をくっつけて税務署には「お食事代」ですと申し開きしようと算段したのだろう。としてみると、安倍の答弁自体に突っ込む余地なし、カンペキ、やったね、目出度し目出度し。
だがどうだろうか、これがまかり通ると、政治資金規正法や公職選挙法が骨抜きになりはしないか。
これも先に指摘したように、一人頭5,000円なんかで済むような「懇談会」ではないことは明白だが、こうした安倍方式でホテルから直接5,000円の領収書が個人あてに出た形をとると、税法上はお咎めなしになるとともに、差額を後援会の裏金を使って補填してしまえば、まったく金の動きの実態は見えなくなり、実費10,000円のパーティーでもなんでも政治資金収支報告書には載らないは、供応という公職選挙法違反にも問われないは、やりたい放題になってしまうだろう。
えっ、裏金使えるならタダでパーティーやれるだろうって？タダより高いものなし、それってそのまま供応でしょうが！
産経新聞のネット上記事→
https://www.sankei.com/politics/news/200221/plt2002210031-n1.html
ＡＮＡホテル領収書 桜夕食会の宛名は「上様」 首相答弁と一致
2020.2.21 17:55
平成２６年の桜を見る会前日に安倍晋三首相の後援会がＡＮＡインターコンチネンタルホテル東京で開催した夕食会の領収書（一部画像処理しています）
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「桜を見る会」前日に安倍晋三首相の後援会が主催した夕食会に関し、会場となったＡＮＡインターコンチネンタルホテル東京（旧全日空ホテル）が発行したとする領収書を参加者が実際に受け取っていたことが２１日、分かった。宛名は「上様」と記され、首相の国会答弁と一致している。
産経新聞は、参加者が保管していた領収書を確認した。ＡＮＡホテルが会場となったのは平成２５、２６、２８年の夕食会。確認したのは２６（２０１４）年の領収書で、桜を見る会前日の「’１４・４・１１」との日付が記されている。宛名欄には「上様」、金額は「５０００円」で、「夕食懇談会として」となっている。
係名や「通し番号」が書かれ、支払い済みを示す赤色のスタンプも押されている。参加者は取材に「会場で会費を支払い、首相の事務所職員からホテルの領収書として渡された」と話している。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9480：200224〕
