大飯原発安全評価案のための意見聴聞会に抗議を!

2012年1月16日 連帯・共同ニュース第214号

■  現在稼働中の原発は5基である。今年の4月中には現在稼働中の原発も停止する。日本に存在する原発の全てが稼働を止め、原発なしの状態が出現する。これは僕らにあらためて原発の存在を明瞭にする。「原発なしには日本の電力は不足する」、「産業界は深刻な状態に陥る」等が電力会社や経産省などの原発保持のための宣伝に過ぎないことが明確になる。原発なしでも日本の電力は十二分であることが人々に示されることになる。「原発安全神話」が崩壊した後にささやかれてきた社会的な必要理由が根拠をなくす。原子力ムラや経産省は停止中の原発の再稼働という既成事実でこの事態を乗り切ることを画策している。「ストレステスト」(耐性評価)はその有力な手段であり、道筋に位置するものである。人々に新たな安全神話を用意するだけなのに。

■  福島第一原発震災に対する検証のないところで、従来の保安院などがいくらテストをやっても誰も信用しない。欧州でストレステストに参加した原子力専門家のゲオルギ・カスチエフ氏は「今まで『安全』と判断してきた人々が再び評価したところで、結果は同じだ。その結果を誰が信じるのだろうか」(1月15日の東京新聞)と述べている。当然のことである。保安院などが構成する原子力ムラは自己批判も責任も明確にせずに機構いじりでことを済ませてきた。彼らは再稼働の戦略を福島第一原発震災の発生時から構想し、政治が政局の中で身動きの取れない中でも密かにその準備をしてきた。そして今、ストレステストの結果として大飯原発(3,4号機)の安全評価案を出そうとしている。そのために「発電用原子炉施設の安全に関する総合評価に関わる意見聴聞会」を経て、国際原子力機関(IAEA)の調査団を来日(1月28日)させてお墨付きを得ようとしている。全ては再稼働のために敷かれたレールである。

■  1月6日に開かれた第6回の聴聞会では疑惑の3人の委員(三菱重工から金銭授与のあった岡本孝司・山口彰・阿部豊)のこともあり、他の委員からの批判で紛糾した。が、聴聞会を承認の儀式としてしてしか考えてはいない保安院は今回傍聴人を排除してことを進めようとしている。もちろん辞任要求のある疑惑の3人の委員をそのままにして。そんな中で1月18日(水)16時15分~19時15分に経産省別館では第7回の意見聴聞会が開かれる。傍聴締め出しや疑惑の委員の辞任の要求は当然であるが、再稼働のためのストレステストの評価の提出に抗議を。15時経産省前抗議行動・16時傍聴・18時30分経産省前抗議行動。結集を! (文責 三上治)