2012年1月21日 連帯・共同ニュース第216号
■ 「いちはやく冬のマントひきまわし銀座いそげばふる霙(みぞれ)かな」(北原白秋)。銀座からさほどはなれていない霞ヶ関の一角にも霙混じりの冷たい雨が降っている。そんな週末でもむき出しになりつつある「原子力ムラ」の原発再稼働の動きに僕らは異議を申し立ての意志表示を行っている。「寒さにも負けず」なんて洒落ている余裕を持ちたいものだとこころがけながらである。経産省と原子力ムラは今年の4月には全原発の稼働が停止する中で、再稼働を準備している。福島第一原発震災の収拾や処理以上に彼らは今春に全基稼働停止する原発再稼働→原発保持の戦略を練っていた。その一端を『週刊朝日』は暴露している。読んだ人も多いかもしれないが、「原子力ムラ」の大物といわれる御仁は東電等に対して「福島第二原発の再稼働」の準備をするようなメールを流していたのである。「事故以来『原子力ムラ』は劣勢である。だが事故はいつかは風化し、記憶から消えてゆく。火をつないでゆくことが大切である」(週刊朝日)。福島の佐藤知事が福島の全原発の廃炉を求めたことはよく知られているが、「原子力ムラ」はこれらを鼻で笑うような戦略を構想しているのである。これが原子力行政を進めてきて経産省や「原子力ムラ」の本音であり実態である。官僚主導の日本の政治の姿である。経産省の一角にテント広場を作り出し再稼働に反対する行動これから一層の寒さを増す中で進んで行く。
■ 政府はとりわけ民主党の原発政策は見えない。断片的な政策が打ち上げられるはするが、根本的な方針が見えてこない。政権は消費税増税やTPP交渉参加、沖縄の基地移設問題にのめりこみながら、原発問題には方針が定まらず時間稼ぎをしているように見える。僕らは今、再稼働に反対であること、「福島の子供たちを放射能汚染」から守る緊急措置が必要なことをこの不透明な国会に向けて要求し行きたい。国会の動向を注視、原発問題に必要な政治的要求をする。
原子力ムラの敷く再稼働レールに国会の事故調査委員会が介入し、再稼働ありきの戦略に歯止めをかけること,子供や妊婦を放射能汚染から守る具体的措置、その法案化などである。後者は特に「原発いらない福島の女たち」訴えの法案化を展望している。1月24日(火)から31日(火)まで(土・日は休み)国会前での座り込み行動を展開したい。時間は10時から4時まで衆院第二議員会館の前である。経産省前のテントからの出撃ということで体制的には結構きつい。困難を乗り越え行動を広げたい。テント前広場との同時活動であるが参加を訴える。(文責 三上治)