声なき声の会が今年も「6・15集会」

昼間、会場は全水道会館

65年前の日米安保条約改定阻止運動(60年安保闘争)の中で生まれた反戦市民グループ「声なき声の会」による恒例の「6・15集会」が、6月15日(日)に東京で開かれる。だれでも参加できる。

1957年に発足した岸信介・自民党内閣は日米安保条約改定案(新安保条約)の承認案件を60年2月に国会に上程。社会党(社民党の前身)、総評(連合の前身)、平和団体などが「条約改定で日本が戦争に巻き込まれる危険性が増す」と改定阻止運動を始める。これに対し自民党は5月20日、衆院本会議で承認案件を強行採決。これに抗議する労組員、学生を中心とするデモ隊が連日、国会議事堂を取り囲んだ。

千葉県柏市の画家、小林トミさんと友人の映画助監督が「普通のおばさんも気軽に参加できるデモを」と思い立ち、6月4日、「誰デモ入れる声なき声の会皆さん おはいり下さい」と書いた幕を掲げ、新橋から国会に向けて歩き始めた。岸首相が、国会に押しかけるデモについて「私は『声なき声』にも耳を傾けなければならないと思う。いまあるのは『声ある声』だけだ」と述べたことから、小林さんらはその発言を逆手にとって「声なき声の会}と名乗ったのだった。
すると、沿道にいた人たちが次々と小林さんらに加わり、300人以上に。この人たちによって「声なき声の会」が結成された。

6月15日には、全学連主流派の学生が国会南門から国会構内に突入、警官隊との衝突で東大生の樺美智子さんが死亡。6月18日夜、33万人が国会議事堂を取り巻いて抗議の声を挙げる中、新安保条約は19日午前零時に自然承認となった。新安保条約は現在も有効中で、日米両国の軍事同盟の基礎となっている。

声なき声の会はその後、「安保反対の運動があったことと、その中で樺美智子さんが亡くなったことを決して忘れまい」と、毎年6月15日に集会を開き、その後、国会南門で樺さんを偲ぶ献花をしてきた。2003年に小林さんが亡くなってからも、この催しを続けてきた。今年の集会は63回目。

最近の6・15集会は、夕方から参議院会館会議室に集まり、その後、夜間に国会南門で献花をするというのが通例であったが、今年は開催が日曜日なので以下のように変更になった。

日時:6月15日(日)
集会:午前10時~11時45分(閉会時間厳守)
場所:全水道会館(東京都文京区本郷1丁目。JR水道橋駅から徒歩2分)
献花:午後0時20分頃(国会南門)

初出:「リベラル21」2025.4.22より許可を得て転載
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