全国の原発完全ストップ(5月5日)から約1カ月。「関西広域連合」は5月30日、大飯原発3、4号機再稼動の是非を論議した。細野豪志・原発担当相が「特別監視態勢で安全対策に万全を期す」と具体案を示して再稼動を要請、各県知事が真剣に議論を交わした。夏場の電力不足を乗り切るため、特に中小企業を多く抱える関西地域の首長の悩みは深く、意見集約に苦慮。結局、〝玉虫色〟の声明を出して、「限定的再稼動」を認めた。
「政府の『原発安全性に関する基準』は、原子力規制庁が発足していない中での暫定的な判断基準であることから政府の安全判断についても暫定的なものである。従って、大飯原発の再稼動については、政府の暫定的な安全判断であることを前提に限定的なものとして適切な判断をされるよう強く求める」との集約だ。これを受けて、野田佳彦首相は「関係自治体からは一定の理解は得られつつある。福井県とおおい町の判断が得られれば、私の責任で再稼動を最終判断したい」と応じ、再稼動へ向け大きく舵を切ったとみられる。
第一次ストレストだけで拙速判断した政府に、「限定的再稼動」して見直す慎重さを期待できるだろうか。計画停電や節電の強化によって夏場を乗り切ることこそ、国民の安全を守る政府の責務と考える。
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