2012年4月28日 連帯・共同ニュース第250号
■ 「経済産業省前テントひろばでのリレーハンストを注目しています。あざみの歌のように、たとえ離れて暮らすとも、こころはひとつです。こちらは福井県大飯町大島原発再稼働反対監視テントです。先発隊は、4月9日2名で選び抜いた場所、大飯原発街道の大島漁協そばにテントを設営しました。現地の方が、早速訪問、「ここでは声はあげられないよ。おかしなことをしたらぼこぼこにされるよ」と伝えにきました。引き続き漁協の方々が来て町の許可を、とお馴染みの成行きとなり、町役場に文書で許可申請しましたが、翌日町の役人が不許可の文書を持ってきました。横断幕を街道へむけて張りだす。「大飯原発3、4号機再稼働許すな!原発再稼働監視テント」。しかし、それから.対話も執行もなく、20日目となっています。真向かいの土場で整地が始まり、現在この横断幕は街道を往復する自動車、バス、トラックからフェンスで覆われてしまいました。テントひろばの旗が目印として翻っているのは見えますが。関西電力、財界の植民地宗主国側の原発推進勢力は熱戦を望みえない。後ろだてがないからといえます。昨年の3月11日以降ム‐ドは激変しました。福井県財政の6割以上が原発関連であってみれば再稼働の不能は地域経済の激変となる。それだからこそ、このテントの意義は大きくと思います。脱原発の真剣勝負は、今ここという思いがします。」《続く》(須藤光郎さんからの手紙)
■ 大飯原発の存在する大飯町では現在のところ7つのテントが張られ、経産省前や九電前のテントと連帯しています。連帯なんて言葉が古めかしと思えばこころを通わせているというところです。大飯町では4月26日に再稼働についての住民説明会が開かれました。新聞の報道によれば原発再稼働については賛否両論が展開されたことを伝えています。実情は反対の意見が多かったとも伝えられています。原発が存在する地域では住民はなかなか声を上げられないと言われてきましたが変化の兆しも見えるのかもしれません。原発は社会的権力と深く結びき、自治体・学校・親族など諸々の地域共同体に支配力を持ってきました。産業としての原発が持ってきた権力、あるいは権力との結びつきです。ここは経産省や原子力ムラが原発再稼働→原発存続の戦略を進め得ると判断している社会的基盤でもあります。既得権益が生活基盤と結び付いている場所でもあります。今度の脱原発運動はこの基盤を変え得るか、どうかということがあります。産業構造と社会を転換させるビジョンと構想を脱原発運動が持てるか問われます。 (文責 三上治)