大飯町大島の原発再稼働監視テントからの手紙(2)

2012年4月30日 連帯・共同ニュース第251号

■ 再稼働不能でも、交付金は一定額保証されるという約束は、この26日経済産業省副大臣が、住民説明会会場でおおい町会に伝えた。政権がかわったらどうなるのだろう。住民説明会で配布された『説明資料』の一部が手に入った。『中央防災会議では南海トラフ巨大地震による震度分布・・津波高によれば、おおい町の震度は5強とされており、大飯発電所に対する影響はないと考えられる。』26日の朝日新聞朝刊36ページでは、活断層に詳しい名古屋大の鈴木康弘教授は『敦賀原発と状況が違うのは確かだが、敦賀で「活断層ではない』としてきた従来の調査が不十分とわかった。地震で動く可能性がないとはいえず、調査し直すべきだ、という新知見を掲載している。このテントは、浦底にあり、あの班目が敦賀原発は地震断層の上にあり無理と言明している。その断層のひとつが浦底断層だった。大飯原発の安全度を太平洋側の南海トラフでさしはかろうというのは、地域住民を馬鹿に仕切っている。住民説明会の欺瞞性を鋭く抗議する我々に警察は、これは非合法活動なのだと弾圧しようとした。その警官に、活断層の上に原発をおくことこそ、違法行為なのですと反撃したが、彼はくちごもって、まともな知識じゃないとまたいいかえしてきた。権力の犯罪性はあらわだ。福島の悲惨がこれでは繰り返される。原発の丘にも登ってみたが、土の質はもろい層状のものだった。木は枯れ、春の七草など一草もない。丘林が殺されると叫んでいる。山や丘がすこやかでなければ海もそうなる。原発を再稼働しない海は豊穣になるに違いない。大阪から、この埠頭に釣りにきたおばさんたち、今日は、サバだのなんだのとハリからはずすのにおおわらわだった。大漁のようでと話しかけると、楽しましてもろうたた、と。ゴールデンウィークの波止場は釣り客で賑わっている。      (文責 須藤光郎)
■ 3・4号機の再稼働が焦点となって大飯町にはその動きを監視するテントが7つ出来てテント村が出現している。これはとりあえず5月5日の原発ゼロの実現をめざしてのものだが、今後は地元のみなさんとの関係をどのように形成できるかが課題になる。一旦は原発ゼロが実現しても政府や官僚、また経済界は再稼働に向けて動き出す。再稼働の動きも新しいステージとして出発するにしても、経産省や原子力ムラの戦略が変更されたわけではない。再稼働を阻止し続けて脱原発の具体的道(径路)を明確にして行く鍵の一つが地元といわれる地域住民の動きだ。地元という概念も変わるだろうが地元の人々の動き、それと僕らの関わりも問われる。(三上治)