本日(2月17日)付の日本経済新聞は、関西の三流スポーツ紙を彷彿させる書き方で笑わしてくれます。 プロ野球阪神タイガースのファンが多い関西、特に京阪神で売られるスポーツ紙は、タイガースが負けても勝ったかのような記事を載せて、ファンに媚びることが多いのですが、日経の記事がそれに似ていたからです。
日経の記事は、第一面でG20の共同声明が「通貨安競争を回避」と大きく身出しを掲げます。 如何にも「アベノミクス」の効果で円安になったかのように装っているのです。 「おいおい、そんなこと出来る政府が何処にある?」と突っ込みを入れながら読みますと、「日本が円安を誘導しているという名指しの指摘は避けられたが云々」とあり、大笑いでした。 いよいよ日経も狂ったかと呆れます。 為替取引の現実は、貿易為替決済の比率等は1%あるか無いかであり、後は投機なのですから、何にでも金になると投機筋が思えば、雪崩をうって向うのが通常の姿で、私も前の投稿で触れましたとおり「円売りの背景は『世界的な景気悪化シナリオが後退しているため』(白川方明日銀総裁)」(日経)なのです。 白川総裁は、流石に、正確に事態を理解しておられます(日経では、政府に遠慮して扱いが小さいですけれど)。 ユーロ高で八つ当たりせんばかりの欧州勢でも、日本政府にそんな力量がある筈も無い客観的な事実を無視することが出来なかっただけですよ、日経さん、と云いたいのですが、記者も理解しつつの提灯記事ですから仕方が無いのでしょう。
でも、「アベノミクス薄氷の支持」の囲み記事は、やり過ぎです。 大見出しで「緩和策の影響注視」とあるのに矛盾しますよ、日経さん。 これも内容からは後退した表現ですが。 記事中にも「日米両国を名指しして『財政状況の不確実性を解消することが必要』と注文を出した。」とあり、G20は、明らかに、行きすぎた金融緩和の齎す弊害に懸念を示しているのです。
もう日経も解約の時期が来たようです。 こんな奴隷の言葉で綴る新聞なんかに毎月何千円も支払う価値はありません。 エコノミストでブロガーの池田信夫氏は、「金融緩和で日本は破綻する」(野口悠紀雄著)を紹介しつつ「破局を早めようとするアベノミクスは自殺的な経済政策である。」と喝破されておられます。 御二人の論評が日経に掲載されることは無いのでしょうが、記者は読んでいるのでしょうね。
http://agora-web.jp/archives/1519436.html
良書悪書 財政ファイナンスはすでに始まっている – 「金融緩和で日本は破綻する」 池田 信夫 アゴラ2013年02月16日