台風一過で日本列島が快晴となった9月18日、東京・代々木公園B地区で「ともに生きる未来を!さようなら原発さようなら戦争全国集会」が開かれた。脱原発を掲げる「『さようなら原発』一千万署名市民の会」の主催で、旧総評系の労組員、平和団体関係者、生協関係者ら約9500人(主催者発表)が集まったが、安倍首相が9月28日開会の臨時国会の冒頭での解散を考えていると報じられた直後の集会となっただけに、会場では「臨時国会冒頭での解散は、森友・加計学園疑惑と相次ぐ原発再稼働に対する野党からの追及を逃れようとするこそくな手段であり、われわれとしては、野党共闘を発展させて安倍政権の再来を阻止しなくては」との発言が相次いだ。
首都圏は18日未明まで台風18号による暴風雨に襲われ、集会の開会が危ぶまれたが、朝からは快晴に恵まれ、会場には、開会前から団体旗やのぼりをもった参加者がつめかけた。労組の旗やのぼりからみて、すでに台風が通過した四国、中国、近畿からの参加者はあったが、台風が通過中の北陸、東北、北海道からの参加者は見られなかった。
集会第2部は、午後1時30分に野外ステージで開会。
開会あいさつに立った作家の落合恵子さんは「安倍首相は臨時国会の冒頭に衆院を解散し、10月22日に総選挙を行うという。このところ、内閣支持率がアップしているので、選挙をやれば勝つかもしれないと、考えたのだろう。その狙いは、私たちに森友・加計学園問題を忘れさせることにある。ならば、私たちとしては、決して忘れない、という答えを出そうではありませんか」と述べた。そして、こう続けた。
「これまで、これほどやりたい放題のことをした内閣はあったでしょうか。これほど傲慢な内閣はあったでしょうか。福島原発事故では、汚染水問題が未解決なのに、汚染水はアンダーコントロールされていると言ってオリンピックを招致した。森友・加計学園問題では、『記憶にありません』を連発して民意をあざむいた。そのうえ、北朝鮮のミサイル発射問題を機に、その脅威をあおりにあおって防衛費を過去最大にするなど、戦争をするための準備を進めている。そろそろ、こうしたことを終わりにさせなくてはいけない。あんな人たちに勝たせないよう、みんなに呼びかけましょう」
福島県から参加した福島原発刑事訴訟支援団団長の佐藤和良さんは「東京電力の福島第1原発の事故が甚大な被害をもたらし、今なお多くの人が避難生活を強いられているのに、今なお事故の責任をとった人が1人もいない。こんなことが法治国家として許されるだろうか。私たちは東電幹部の刑事責任を求めて裁判で闘っているので、支援をいただきたい」と述べた。
閉会あいさつで、ルポライターの鎌田慧さんは、こう訴えた。
「安倍政権は、北朝鮮のミサイル発射問題で恐怖をあおり、居直ろうとしている。うそで固めた謀略政治を進め、防衛費を増やそうとしている。まるで、火事に乗じて焼け太る火事場ドロボウだ。それに、憲法9条に自衛隊の存在を明記すると言っている。9条の規定は、武力を持たない、交戦権も持たないということだ。そこに自衛隊を追加するなんて、ペテンもいいとこで、まさにペテン政権だ。こうした安倍政権を許してきた一因は、われわれの弱さにある。次の選挙では、われわれが野党共闘をつくりださねば。あきらめてはいけない。戦争を阻止し、原発をなくす闘いは長期にわたる持久戦となるだろう」
集会後、参加者は原宿コース、原宿コースに分かれてデモ行進した。
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