安倍晋三とは、醜悪な統一教会との癒着政治家の筆頭である。その国葬はあり得ない。

(2022年8月13日)
 産経新聞の「主張」(社説)には、その芬々たる産経らしさが鼻について違和感を覚えることが常である。が、昨日(12日)の「主張」(以下に抜粋)には、産経色が希薄で何とも常識的な内容。読むのに違和感がない。産経さん、いったいどうなっちゃったの?

【主張】政治と旧統一教会 疑惑の教団と一線を画せ – 産経ニュース (sankei.com)

 表題は、「政治と旧統一教会 疑惑の教団と一線を画せ」というもの。「一線を画せ」と注意をうながされているのは、文脈からは政権であり与党である。ふ~ん、産経までそう言うんだ。

 「政府や政治家は、疑念を払拭できない教団とは明確に一線を画すべきである。まっとうな政治活動や政策まで白眼視される状況を深刻に受け止めなければならない。国民の信用、信頼を失えば、政治は前に進めない。

 第2次岸田改造内閣が発足した。岸田文雄首相が旧統一教会との関係の有無を点検するよう指示し、『結果を踏まえて厳正に見直すよう厳命し、了解した者のみを任命した』と述べた陣容である。

 同じ日、都内で会見した旧統一教会はこうした任命基準について『誠に遺憾』と述べた。だが、過去に霊感商法や洗脳による合同結婚式、高額の寄付などで多くの被害者を出した教団と明確に一線を画すべきは当然である。

 複数の新閣僚からも旧統一教会との関係が報告された。国際勝共連合が旧統一教会の関連団体とは知らなかった―との弁明には耳を疑った。事実なら、政治家として不勉強、無知も甚だしい。

 勝共連合は当初、反共を旗印に自民党右派や右翼団体と接触を図った。これは歴史的事実である。目的が近い団体との接近は自然なことだったろうが、表裏一体の教団による霊感商法などの反社会的活動が明らかになった時点で関係を断つべきだった。(以下略)」

 産経らしさといえば、統一教会と自民党との癒着を「反共という目的が近い団体との接近は自然なことだったろう」と、過去のことのようにサラリと軽く流した表現をしている程度のこと。さすがに、下記のようには言わない。あるいは言えない。

 「反共という大義を共通にする統一教会と自民党である。ともに手を携えて当然ではないか。とりわけ自主憲法制定を党是とする自民党の政策を統一教会が積極的に支援していることは、大局的見地から評価を惜しんではならない。統一教会側も会見で『当法人が霊感商法を行ったことは過去も現在もない』と述べていることでもあり、性急に両者の断絶を求めるのは禍根を残すことにならないか」

 産経も、「疑惑の教団と一線を画せ」といわざるを得ない統一教会である。その教団の疑惑を十分に知り尽くしていながら、なお一線を越えて醜悪な癒着の関係を築いた政治家の筆頭が安倍晋三である。いま、何よりも問題にすべきは、そのような醜悪な政治家・安倍晋三の国葬が強行されようとしていることである。

 岸田内閣は、新閣僚人事について、「旧統一教会との関係の有無を点検するよう指示し厳正に見直すよう厳命し」たという。それなら同様に、統一教会と安倍晋三との癒着の関係を徹底調査して、国葬の閣議決定を早急に「見直す」べきがスジではないか

 なお国葬の強行に固執しようということでは、政権の命運は危うい。産経主張の冒頭の一文を噛みしめるべきである。
「政府は、疑念を払拭できない統一教会とは明確に一線を画すべきである。国葬に固執して、まっとうな政治活動や政策まで白眼視される状況を深刻に受け止めなければならない。国民の信用、信頼を失えば、岸田政権の前途はない」

初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2022.8.13より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=19723

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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