“安定的な”皇位継承というけれど・・・会議はどうなる?

 秋篠宮家の長男は

 3月3日、昨年の12月11日に筑波大学への進学も確定し、高校生活も終わろうとしたタイミングなのか、秋篠宮家の長男が成人になったとして、初めての会見がおこなわれた。肉声が公けになるのは初めてということで、注目されていた。昨年9月6日の誕生日で、すでに18歳になっていたが、学業優先とのことで、この日になったのだろう。宮内庁の記者クラブからの質問はあらかじめ知ってのことで、その回答は宮内庁の広報室はもちろん、官邸にまで届いているかもしれない。
 広報室や両親の指導のもと本人の努力の末、臨んだ会見だったように見えた。しかし、当然のことながら、象徴天皇制に踏み込むはずもなく、その内容は当たり障りのないもので、全体的に「よく暗記できました」というのがまずもっての印象であった。天皇の「おことば」に習って、冒頭、岩手県の山林火災に言及し、見舞いの言葉が語られた。
  3月18日、筑波大付属高校卒業式直前の校内での「お声かけ」による会見は、“人払い”と警備が伺われる中で、「高校生活はどうでしたか」という記者の質問に「授業や課外活動など充実した3年間を過ごすことができました。また、忘れられない思い出も作ることができました。先生方や友人たちをはじめとするお世話になった方々に深く感謝申し上げます」と。
  同日、宮内庁が作成、発表した文書は、高校卒業までの成長記録で、末尾には、この会見についての言及もある。「懸命に準備を重ねられて、緊張感をお持ちになりながらもご自身のお考えを述べられました。ご成年を機に、自らのお立場を改めて認識され、お考えをまとめられる貴重な機会になったものと拝察しております。」とあり、同時に写真も発表されている。
  それにしても、筑波大学には、原則的に車で通学するというが、その警備は莫大なものとなり、様々なリスクもともなうのではないか。一般学生と同様に寮で一人住まいするのが、現在の憲法にかなうというものである。

 天皇家の長女は

 2020年3月22日、天皇家の長女が、学習院女子高等科卒業にあたっての「お声かけ」による記者の質問には「とても楽しく、とても充実した学校生活で、かけがえのない思い出ができました」と答えていた。また、宮内庁からは、本人の「文書」も発表されている。
 2022年3月17日には、成人会見が行われた。彼女は、あらかじめ質問が知らされていることも明かしながら、かなり具体的なエピソードをまじえて語っていた。ときに、ちょっとつかえ、短い沈黙があったりしたが、しっかりとシナリオ通り、話し果せたという感があった。 彼女はいっとき不登校の時期もあったが、どう乗り越えたのか。幼少時代、母と手をつなぎながらも、ひとり横を向き、出迎えた報道陣を不思議そうに、しかも、しかと見つめ返している一枚の写真を思い起こす。           

 この悠仁さんと愛子さんの二人は、メディアなどでよく比べられるもし、愛子天皇待望の向きもあるようだが、衆参両院の正副議長の主催する「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議」という長い名の会議で、長い「協議」を経て、条件付きで女性皇族が結婚しても皇室に残辺りに落着するのではないかと思う。ただし、これは、安定的な皇位継承策とは直結するものではない。

敷地内のあちこちでアセビは花ざかり

初出:「内野光子のブログ」2025.3.22より許可を得て転載
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〔opinion14158:250323〕