小出先生、「汚染物質はすべて東電へ」

著者: 松元保昭 : パレスチナ連帯・札幌
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みなさまへ   松元
小出先生の「たね蒔きジャーナル」8月25日分の転送です。
小出先生、「汚染物質はすべて東京電力へ持っていき石棺の材料にしたらいい」と語ります。また政府と原発推進当局はどんなデータが出ても、「天災でも人災でも、破局は無視してきた」と言います。

今回は引き続いて登場した福島県農協職員で専業農家の遠藤友彦さんのお話もあわせて掲載させていただきます。

●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。

http://hiroakikoide.wordpress.com/

======以下転送======

 永岡です、毎日放送ラジオニュース「たね蒔きジャーナル」、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞本社論説委員の近藤伸二さんの案内で放送されました。

 原発関係のニュース、食肉の出荷停止、岩手他4県の停止を解除しました。全頭検査を行い、全戸検査も行って、安全の確認された牛の出荷が始まります。しかし、一部からは基準を超えるセシウムが検出されています。しかし、これで本来の価格で売れるわけではなく、検査体制の確立を近藤さん指摘していました。

 福島の農家、早場米のセシウム、検出されず、会津の米からですで、原発から西に100kmのところの米からセーフでした。

 東電西沢社長が茨城を訪れて賠償支払いをすることを8月30日に公表すると言いました。茨城は本払いを早くしてほしいと言っています。
 そして、小出先生のお話、驚くべきニュースで、大津波は想定外といわれていたのに、東電は3年前に10mの津波の来る可能性を知りつつ、対策を取らなかった、小出先生、難しい、彼らは天災でも人災でも破局的なものを無視してきたのです。この試算、事故直前の3月7日に保安院に報告されており、保安院も無視して、小出先生、「いつものこと」であり、保安院は2年前津波が6mを越える可能性を東電から口頭で受けていたのです。大きな津波が来るのは了解しており、保安院のアドバイス機関も津波の高さごとにブラックアウトの可能性を試算して、都合が悪いので無視してきたのです。つまり、後でばれたら困ると言うことなのです。

 近藤さん、政府が原子力規制組織を作るというものの、体質は変えてほしいが、国の根本が原子力を進めるとしたら出来る仕事は限られる、最悪のものは考えない、今後も考えないと思われるのです。国が原子力を根本的に、そんなものに手を染めていいか考え直さないとダメなのです。

 政府の災害本部、今後の放射線量を予測して認められたのですが、周辺の田畑、放射能は雨に流されて2年後減ると言うのですが、「除染は出来ない」、しなくても良いのではなく、出来ない、田園の土をはがしたら死ぬ、放射能の寿命があり、セシウム137と134、134は2年で半分、137は半減期が30年、なかなか減らない、雨などで減るものの、長い間は汚染が続く、2年でセシウム134が減る試算は合っていると思われるのです。が、雨により汚染は広がる、放射能は半減期以外で減らないのです。国は当初2年間を言ったものの、その後は減らないのです(セシウム134が減るだけ、137は減らない)。

 政府は学校の屋外活動の制限の20ミリ/年を1ミリにした、「あまりにも遅すぎた」、学校だけで1ミリにするが、子供は学校+家庭で1ミリにしないといけないのです。「せめて子供に対してはしないといけないのです」。

 明日、国会で放射能汚染の特別処置法が成立し、国が責任を持って除染するものの、汚染土の処分は決まっておらず、「大変難しい」、汚染と読んでいるのは原子炉の中にあったもので、東電のもの、東電が撒き散らしたもので、「東電に返すべき」=福島の原発内に戻すか、出来たら「東電本社においてほしい」のです。しかし、原発に石棺を作らないといけない、瓦礫、その他汚染物をその材料にしたらいいと思われるのです。そこは、墓場にするしかないのです。管理を何十年、何百年しないといけない、全国に撒けてはいけない、六ヶ所村の廃棄物は300年の管理がいる、福島のものはもっと要るのです。

 汚染物は東電本社へ、という小出先生の言葉は重みがありました。聞いて、良かったです。

=====以下、農家の遠藤友彦さんのお話======

 永岡です、たね蒔きジャーナル、続いて、JA福島県農協青年連盟の委員長、遠藤友彦さんのお話がありました。福島の農家が大打撃を受け、福島は米の生産で全国4位、果物・野菜も多く、農業県であり、2500億円の農業生産があります。この、農家の生の声をお知らせいたします。
 遠藤さんは南相馬市で、原発事故で緊急時避難準備区域であり、今で5代目の農家です。家族は妻と子供3人、父親、祖父の構成です。原発事故発生時、福島市で会議の後に飯館村を通っていた時であり、地元で消防団員もやっており、遺体選別作業中に原発爆発音を聞いたのです。

 作物は田んぼで水稲をやっていた、今年はまったく作付けできず、セシウムの影響の少ないかぼちゃでしのいでいます。田んぼの広さは15丁(ヘクタール)、収入は今までの保険を解約して、貯金他でつないでいるのです。生きるためにお金が要る、子供もいるのです。切り崩せるお金があっただけマシなのです。かぼちゃの出荷が出来るようになり、何とかなっています。

 来年に向けて田んぼの除染は、今はまったくやっていない、行政が崩壊寸前で、小学校、幼稚園の除染で手一杯であり、来年の米作りは、福島市で米の検査をしたらセシウムが検出されず、光は見えたかと思うのです。

 肉牛の出荷停止も解除であり、JAだけでなく、セシウムが吸収されたのが分かり、それをきれいにしたので解決したわけです。それまで、えさ代、その他の負担は大きく、遠藤さんは牛を飼っていないものの、1日5~10万円くらいのえさ代があり、出荷停止解除でほっとしているのです。必要経費、えさをやらないと死ぬので、大変なのです。

 えさの入手も困難であり、近くの県の稲わらは使えない、厳しい状況なのです。遠くから取り寄せるのです。

 近藤さん、個々の農家の努力だけではどうしようもない、行政が崩壊している、行政が支援して欲しいとコメントしました。

 また、福島は果物の盛んなところで、桃、放射能の検出はないものの、ゼロではない、例年の半値であり、採算が取れないのです。今年の桃はおいしいのに、理解してもらえないと買ってもらえないのです。

 風評被害を除くために、青年組織、各都道府県にキャラバンを組んで対面式で販売するしか方法がないのです。各地域の理解が欲しいのです。対面販売で、何とか理解してくれています。農家も、安全なものを提供する責務があり、その場で食べて、買ってもらう努力をしています。

 リスナーより、肉牛出荷停止解除で、遠藤さんの一番のご苦労はについて、まず、どこに伝えたら解除できるのか、えさをどこから持ってきたら安全なのか、その結果がなかなか出なかったのが心苦しい、福島で農家が数名自殺し、命を落とさないようにとして、力を発揮できなかったのです。

 国、東電に言いたいことは、その地に生きているものの言葉を聞いて欲しい、まだ原発が収束していない、まず止めてもらわないと、今後経済的に成り立たない、農家は逃げて生活は成り立たないのです。ともかく、原発を収束させて欲しいのです。それで、前に進めるのです。

 補償は、ほとんど入ってきていないのです。思ったほど、福島はお金をもらっていないのです。農家に、補償のお金は入っていない、農家のお金と会社員のお金、入ってきているものの、農家は100万程度で生活できないのです(農業経費がかかる)、それを、忘れないで欲しいのです。

 これが、専業農家の生の声でした。これを、お伝えいたしました。