小出先生、国や東電の発表数値は「根拠がなく分からない」

著者: 松元保昭 まつもとやすあき : パレスチナ連帯・札幌 代表
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みなさまへ   松元

小出先生の「たね蒔きジャーナル」10月31日分の転送です。つづいて日本チェルノブイリ連帯基金理事長で医師の鎌田實さんのお話がありましたので、あわせてお届けします。

小出先生、国や東電の発表数値は海洋汚染も調査せず「根拠がなく分からない」と困惑されています。

チェルノブイリに20年間で94回も行かれている諏訪中央病院の名誉院長の鎌田實さんが、フクシマの子どもたちの検診について話されます。

●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。

http://hiroakikoide.wordpress.com/

=====10月31日のお話======

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日は水野晶子さん1週間ぶりの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。

 原発関係のニュース、福島事故で食品の暫定規制値の見直し、小宮山大臣が年間5ミリーベルトを1ミリに引き下げを示唆し、年間0.1ミリの被曝となるとして、乳幼児用の規制も検討します。

 そして、小出裕章先生のお話、国の発表していた数字が信用できない、フランスの放射線防護研究所(小出先生正確にご存じない)の発表で、福島事故で海洋に流出したセシウム137がこれまで東電の発表の30倍の量と言う数字を出しました。小出先生、報告をご覧でなく、判断は出来ないが、東電のデータに根拠はなく、トレンチ、ピットにたまった水は地下に漏れて、海に漏れていると思っていたが東電は一切評価していなかったので、東電の値より大きいと思われるが、具体的に判断できない、海洋汚染のデータは、ソースターム(放出量総数)も評価できるようになるとのことなのです。今まで東電は漏れていないとしてきたのです。どれだけ漏れているか、東電が公表していないのです。

 これ、セシウムのみですが、他の核種も出ている、魚への連鎖、ストロンチウムは比重が重く問題で、一番危ないのはセシウムで、大気中の中ではセシウムが問題であり、大気に出やすい核種で、希ガス、ヨウ素、セシウムがあり、ストロンチウムやプルトニウムは大気にはあまり出ない、水にはストロンチウムが問題、プルトニウムは水に溶けないものの、汚染は問題、注意深く見ないといけないのです。

 プランクトンからセシウムが出たデータがあり、それを魚が食べるので、次魚にセシウムが出る証拠であり、魚に汚染が出るのです。

 ノルウェーで、大気中のセシウム、安全委員会の推定値の3倍との数字があり、これは正しいと思われる、日本政府の発表は陸上に降り注いだセシウムで、原発は東半分は海にあり、西風で、放射能の大部分は海に流れたものの、海に流れた放射能を日本政府は評価しておらず、この値は正しいとの見解でした。海に出たものは分かりにくいものの、そちらが重要であり、これを観ないといけない、チェルノブイリは内陸にあり、外国に出たが、大部分は海に出た、日本でも、測定しようとしたら出来るのに、やっていない、海草の数値も、きちっとしたものは出ていないのです。

 福島の汚染された土、福島に中間貯蔵施設を作り、30年間保管すると言うこと、小出先生失笑され、そんなことは出来ない、数百年単位の毒性が続くものであり、30年たってどこかが引き取ってくれるわけではないのです。モンゴルに持っていくのも出来ないのです(高レベル廃棄物)。30年では済まないのです。何百年かかるか分からないのです。解決が付くかというようなことを言うのがおかしいのです。具体的な場所はなく、実行されたら、困っている自治体が押し付けられるのです。フランスか、海外が買うこと、これは皆さん考えてほしい、一番推進していたアメリカに持っていくのがいいが、ニューヨークやワシントンではなく先住民のところに持って行かれるのです。

 今日も、小出先生のお話をお伝えいたしました。

======医師、鎌田實さんのお話=====

 永岡です、たね蒔きジャーナル、続いて、福島の子供たちの調査をしている日本チェルノブイリ連帯基金の鎌田實さんのお話がありました。水野さん、鎌田さんのお話を聞くとほっとすると言うのです。

 諏訪中央病院の医院長です。チェルノブイリに20年間94回行かれています。鎌田さん、前回は4月にたね蒔きジャーナルに出られました。子供を持っている人は、25km圏内の南相馬に入られたのです。医師が逃げられたのでした。

 福島の子供たちのことであり、7~8月、子供たちの体を診て、被曝の検査であり、日野市に1000人の福島の母親と子供たちの7泊8日の旅を行い、わずかな時間でも、子供たちに放射能に関係ないところで遊んでほしかったのです。チェルノブイリ連帯基金で、小児科専門医とともに生き、130人の検診を行い、信州大の教授とともに検査して、血液、尿のセシウムの検査をして、チェルノブイリでは事故後5年で甲状腺がんが増加し10年後ピーク、6848人の小児甲状腺がん、甲状腺機能低下も見られたので、今回は血液検査をして、福島県が検査をしないので早くやってほしいと母親より要請があり、10人の子供に基準値より外れたものがあり、甲状腺がんの腫瘍マーカーが出た子供も2人いて、現時点では病気ではなく、被曝との関連も分からないが、慎重にフォローしないといけないのです。病気の早期発見もあり得るのです。

 身体検査の中で、子供の15%が、頭が痛い、おなかが痛い、20%の子供が眠れないとなっているのです。今特定できないが、今わからないことが不安であり、10月初旬に福島県の検診が始まり、2年半でやるのですが(36万人の子供)、鎌田さん明日も福島に行き、母親は不安で、2年半も待っていられない、福島ではエコー検診をしているが、専門医が少ない、全国の甲状腺専門医が行って、半年でやり遂げたら母親たちも安心だと言うことです。お金も要り、国の責任でもあるのです。

 36万人の子供、リスクが違い、放射線の高いところで給水車に並んだ子供もいて、そういう場合は血液検査もいるのです。慎重なフォローがいるのです。

 一昨日南相馬で内部被曝の検査があり、体重1kgあたり7ベクレルで、内部被曝を少量している、べらぼうに高い数字ではないが、検出度合いの高い機械を使い、半分くらいの子供にセシウムが検出され、南相馬は空間線量は低く、そこで内部被曝とは、多くの子供が被曝しており、慎重にやらないといけない、また、ヨウ素131はどれだけ出たか分からない、セシウムの10倍は出ており、セシウムが分かると、ヨウ素の被曝も出ている(ヨウ素は半減期が8日で、3カ月で1/2000になり、今となったら分からない)、これを慎重に検査しないといけないのです。

 リスナーより、ヨウ素剤を子供たちに飲ませてあげるべきではなかったか、国は備蓄していた、これについての質問があり、ヨウ素で50ミリシーベルトを超えると飲ませると言うマニュアルがあり、国は超えていないと言い、しかしSPEEDIを見たら超えているところもある、微妙である、飲む領域を超えた場所もあった可能性はあるのです。越えなくても飲むべきかは、甲状腺機能低下の副作用がヨウ素剤にあり、また勝負は2,3日で、放射能が出たらまた飲まないといけないので、やたらに飲ませたくない、ヨウ素がどれだけ出たか、国が隠したのか、測定できていないのか分からず、困難なのです。

 経過観察の必要な子供たち、今は治療の必要はない、経過観察(病気ではない)であり、血液が正常値を外れたことが、被曝と断定できない、もし何かあったらすぐに治療する体制が国が取っていないのです。WHOだと、チェルノブイリでは15人甲状腺がんで亡くなり、早期発見したら治るのですが、慎重に発見する必要があるのです。ホールボディーカウンター、福島に3つしかないのです。チェルノブイリでは強制移住のところに、2万人に1台ホールボディーカウンターがあり、25年たっても体内被曝があり、見つかると管理して、3か月食事を管理すると正常化する(セシウムは体内から80~90日で出る)、体内被曝したらアウトではなく、管理したら大丈夫なのです。

 以上、鎌田先生のお話をお送りいたしました。