小出先生の「たね蒔きジャーナル」11月1日と2日

著者: 松元保昭 : パレスチナ連帯・札幌 代表
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みなさまへ   松元
小出先生の「たね蒔きジャーナル」11月1日と2日分の転送です。
今回話題になっているキセノンの検出は、過去のクロルと同様、間違いの可能性もあり、仮に本当だとしても、再臨界の可能性はあるものの核分裂の連鎖反応は続かず核爆発には至らないだろうと、指摘しています。

日本の原子炉のタイプは、炉心溶融しやすいけれど核暴走はしにくいタイプだということです。いずれにしても、「溶融」「再臨界」など東電が想定していなかったことが次々と起きているということは、東電が事故をまったくコントロール出来ていないということだと語っています。

日本原子力学会が「原発の安全確保に貢献」などと声明していることに、小出先生、まずは安全だと主張してきた自らの責任をとってほしい、と失笑しています。

●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。

http://hiroakikoide.wordpress.com/

======11月1日のお話======

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。平野さん、節電に関して、原発維持キャンペーンになってはいけない、火力、揚水など関電は総稼働したのか、という指摘がありました。

 原発関係のニュース、九電は作業手順の誤りで自動停止した玄海原発、今夜起動し、明日再開です。玄海町の岸本町長は説明で納得したと、再稼働を了解しました。ストレステストの対象にならないのです(定期検査で止まったのと違うから?)。保安院は4号機の安全を妥当としています。佐賀県古川知事も十分審査されたと再稼働を認めています。

 事故以降トラブル停止のものとして初めての再稼働で、リスナーより、九電は自分の立場を理解しているのかとの指摘があり、平野さん、メール問題が決着しておらず、社長の続投も認めている、企業体質に問題があり、再稼働を認めていいのか、認めているのが九電と癒着体質を問われている人であり、地元民も不安、関西も無縁ではなく、加圧水型の原発で、鍋のふたが外れる様に放射能が事故で出て、関西でも事故なら死者が出るとのことで、気になるとの指摘がありました。九電の企業統治が回復されずに再開してはいけないのです。チェックすべき国が機能していないのです。
 そして、小出先生のお話、リスナーより、文科省のデータ、テルルの土壌汚染地図を発表し、テルルは6月に検出されたもので、原子炉の稼働で核分裂生成物の中で、200種の問題物質があり、テルルの中にもいくつかあり、6月に出たのがテルル132であり、今回はテルル129Mであるのです。129は質量数、Mはメタステーブルで、準安定状態の特殊なものです。テルル129Mは半減期は34日、比較的長い、事故から7~8か月、検出できる程度の残っており、文科省は、セシウムと比べて微量と言っているのですが、何の問題もないことはない、セシウムに比べたら影響は少ない、これにあまり皆さんの目が奪われるのは好ましくないのです。

 しかし、テルル129Mはベータ崩壊して、ヨウ素129になり、これも放射能をだし、半減期が1600万年!半永久のもの(ヨウ素131は8日で半分になる)なので、特殊であり、専門家から見たら興味深いのですが、様々な問題が出るものの、テルルが小さく見えるほどセシウムが大変なのです。

 もう一つ、林野庁が、セシウム汚染の杉林から出る花粉の試算を行い、問い合わせが相次いだもので、人体には影響が出ないと聞いて小出先生失笑されて、日本政府は100ミリシーベルトでないと影響ないと、科学的には間違いであり、疫学的には証明できていない、どんな微量の被曝も危険であり、花粉で、放射能が付くので、注意しないといけない、マスクがいる(花粉症以外の人も)のです。日本中に放射能が飛散し、被災地だけでなく、日本中問題、黄砂は中国から来て問題になる、花粉は大変な飛散であり、注意しないといけないのです。杉だけでなく、松も問題、一年中問題、あらゆる被曝が出るのです。

 こういう調査の発表でどう受け止めるか、政府のものは大丈夫と結論になり、小出先生失笑され、枝野氏が直ちに出ない=いずれ出ると言ったことにもより、注意しないといけないのです。

 海洋汚染、そちらの数値が出ず、見えない、陸に出たものは見やすいが、海は見にくい、政府、東電は小さく評価したくて、そうなっているのです。放射能は薄まっても消えない=広い範囲に広がったのです。あちこちで注意しないといけないのです。

 今日も小出先生のお話をお伝えいたしました。
======11月2日のお話======

 永岡です、毎日放送ラジオのたね蒔きジャーナル、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞専門編集委員の近藤勝重さんの案内で放送されました。

 原発のニュース、2号機で28日よりガス管理システムを稼働したら、格納容器の中に核分裂の生成物キセノン133,135が出ました。ウランが核分裂した時に出るもので、半減期は5日、9時間のものであり、臨界の可能性があり、東電は一時的な臨界は起こったかも知れないが、大規模な再臨界はないと言っています。ホウ酸を注入していますが、今日の測定でもキセノンも出ています。

 保安院に伝えられたのが、ホウ酸水を入れてから4時間後であり、今日の7時ごろに伝えられたのです。枝野氏、批判しています。

 そして、小出裕章先生のお話、この2号機のこと、格納容器内にキセノンがあったこと、核分裂で初めてできる核種であり、東電の検出したものはキセノン133と135、後者は9時間で半減するもので、事故の後原子炉が停止したなら今ないものなのです。それが出たのであれば、新しくできている=核分裂の証拠なのです。

 リスナーより、核分裂の意味について、暴走かについて、それは違う、壊れた原子炉が核分裂の起こることはないと思ってきた、ある時に塩素38が検出され、核分裂の連鎖があるのですが、これは間違いであり、今回も間違いの可能性がある、事実か、測定が必要で、データを見たらわかるのに、塩素38の際は混乱していたが、ここまで来て間違える可能性は少なく、核分裂が起きている可能性はあるが、爆発はすぐにしない、ホウ素を入れた効果については未知なのです。ホウ酸で核分裂の連鎖を停止しようとしているのです。それの効果は未知なのです。

 近藤さんより、最悪の事態になる可能性について、再臨界で原子炉の爆発は「多分」ない、核分裂がどういうスピードで起こるか、最悪は原爆であり、予期しない形で連鎖反応であり、しかしこれは長く続かない、局地的に偶然に起こっており、日本の原子炉はアメリカが作ったもので、原子炉の形が残っているときに連鎖反応がしやすく、原子炉が壊れたら連鎖反応はしにくいのです。原子炉は崩壊しており、核分裂は続かない(核分裂と想像できない)のです。しかし、熱が出て、条件が壊れて連鎖が止まり、また連鎖が始まるものの、ただちに爆発することはないのです。古い原子炉のため、助かっている、もんじゅだと、炉心がつぶれたら核分裂が進むのですが、軽水炉は連鎖でも爆発はないのです。

 1,3号機も同じ臨界の可能性はあるが、それを調べるのも困難であり、よく分からないのです。

 2号機、キセノンは初めて分析したもので、今まで出ていた可能性あり、放射線の測定は困難で、東電も間違えてきた、1,3号機も慎重に測定すべきなのです。

 チェルノブイリの核暴走は、日本の原子炉と違い、暴走が起きやすい、日本の原子炉は暴走は起こりにくいが、融けやすいのです。しかし、暴走は起こりにくいのです。

 東電は年内冷温停止と言っており、小出先生笑われて、この事実、冷温停止がばかげている、出来もしないことを彼らは言っている、収束に向かっているとアピールしたいだけであり、収束するための手段(電源)は手に入れたものの、彼らも思いもしなかったものが起きており、つまり、コントロールできていない(原子炉が融けることを想定していない、再臨界も想定していない)、想定していないことが次々起きているのです。

 日本原子力学会、声明を発表し「原発の安全確保に貢献する」、「事態の解明、事故の収束を助ける活動を進めた」と言い、小出先生また失笑され、原子力は絶対安全だと旗を振ってきた責任を取ってほしいのです。それなしに自画自賛しているのが原子力村なのです。

 今日のキセノンのお話、詳しく聞くことが出来ました、これをお伝えいたしました。