尻尾が犬を振る?

小生は、蟷螂の斧宜しく、昨今世情を賑わせています「アベノミクス」については、本サイトで、何度も疑義を呈して来たのですが、日本のマスゴミは、未だに大本営発表の柵から抜け出ていない、と観えて、一大応援合戦の様相を見せています。 と云うよりも、日経等は、明らかに株屋の宣伝をしているようであり、贔屓の引き倒しに似て、所謂「リフレ政策」の空虚さを物語るようです。

安倍政権に依る経済・財政政策の中枢は、何も「エコノミクス」と「安倍」を組み合わせて、如何にも、新種の政策であるかのように装うような代物ではありません。 金融緩和は、日銀が何度も試み、経済実体には何等の変化が観られない結果を眼前にしたものです。 国債発行を継続して世界の先進国中で最悪の国家財政にした自らの責任を忘れて、またまた、借金を重ねる「バラマキ」も何度もしたものです。 経済再生のための諸々の改革も、米国流新自由主義的政策を財界の御都合主義的摘要として作成だけはすることを何度も繰り返しました。 でも実行したのは、既得利権の温存であり、弱者に矛盾を押し付けるだけの負担転嫁でした。 結果は、名目賃金の低下であり、これが、デフレの真因です。  従って、彼の伝説の教授は、犬が尻尾を振るところ、尻尾が犬を振る因果関係の逆転を主張されておられるのです。 御用学者の常でしょうが、出鱈目もいい加減にして貰いたいものです。

例えば、株価の上昇についての一大誤解を解くために、現在では、売買高の四割を占めています外国人投資家の動向を観て、グローバルになった市場では日本のみの状況で判断が不可能な現実を知らねばならないと思います。 リーマンショックに依りリスクオフになった市場で、2008年には、北米・欧州・アジア・その他地域で 3.721.500.534(千円)の売り越しになったものの、2009年には、1,817,605,326(千円)の買い越しに復し、途中2011年には欧州ソブリン危機で買い越し額が減少したものの、2012年に至り、本格的なリスクオンとなり、3,036,397,146(千円)の買い越しになっています。 これには、円安が寄与しているのは、確かですが、安倍政権の口舌に依るものでは無いのは明らかです。 世界的な金融緩和に依ってリスクオンになったのが原因です。 また、日本の個人投資家は、売り越しであるのに注意です。 腰が引けているのです。

http://www.tse.or.jp/market/data/sector/index.html

投資部門別売買状況(株券/CB/先物・オプション取引)

http://mstgv.com/gaishi

外国人動向‐MSTG

現在の株高も、起業利益増加の現実化が無いままの期待株価ですが、黒田日銀の大金融緩和で、投機資金化したマネーが株に向かい、バブルになると、保有株が上昇する結果経常利益が増加し、本業不調のゾンビ企業が優良企業化しかねません。 安倍首相の狙いは其処にあるのでしょうか。 でも、そうなっても偶然の一致に過ぎません。 今の円安と株高のように。

http://toyokeizai.net/articles/-/13349

「株価上昇がもたらす、バブル増殖のメカニズム-本業不調でも、保有株が上昇すると経常利益は増加」 野口悠紀雄 早稲田大学 ファイナンス総合研究所顧問

何れにしても、日本の置かれた地政学的リスクと、終息しない欧州ソブリンリスク、日本を含む米国その他諸国のソブリンリスク含みの金融緩和がどのような経過を辿るのかは予断を許しません。 唯、云えることは、日本人個人も、日本の国も、頼るべきは自己の力のみであることでしょう。 しかも、故青島幸男曰くの「財界の男○」のようにゾンビ企業の救済や、他国の利益を図る人達を政権に置いては、何の期待も持て無いのは明らかです。