猛暑の夏を「原発ゼロ」で乗り切れると思っていたところ、 九州電力は8月11日、川内原発1号機(鹿児島県)の原子炉を再稼働させた。2013年7月施行の新しい原発規制基準の下では初の原発再開で、東日本大震災後、2013年9月から約2年間続いた「稼働原発ゼロ」の事態は終わった。
川内原発の安全性にはなお課題が残っているというのに、1号機は14日に発電を開始する予定。世論の稼働反対を無視して、2号機を10中旬に再稼働させる方針である。
新規制基準については川内1、2号のほか関西電力高浜3.4号機(福井県)と四国電力伊方3号機(愛媛県)の計5基が合格しており、再稼動への動きはさらに広がりそうだ。
福島事故を契機に政府は原発から30㌔圏内の自治体に防災・避難計画策定を義務づけた。ただ、鹿児島県は子供や高齢者などの「避難弱者」を抱える医療機関や社会福祉施設のうち、川内原発から10㌔以遠の施設については計画策定を求める対象から外した。原発に隣接する串木野市の住民は「重大事故が起きたら短時間で逃げられないし、みな被ばくするだろう」と懸念を示している。
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