みなさまへ 松元
山梨でNGO「47プロジェクト」http://www.pj47.net/にかかわっている久松重光さんが、市民放射能測定所http://www.crms-jpn.com/ 主催の講演会とシンポジウムのサイトを紹介してくれました。そして久松さん自身が調べられた日本の闇の部分とIAEAなど原子力推進機関との根深い結びつきを報告しています。
文中で久松さんは、「こうして調べてみると、日本政府の対米追随や福島県民の被曝を放置した日本の原発行政の影には、アメリカ政府の世界戦略の都合によって免罪され返り咲いた、戦前の戦争犯罪者たちの流れが、未だ日本の中枢を握っていることに気づかされます。」と語っています。
=======以下、転載=======
久松です。12日に、市民放射能測定所主催の講演会とシンポジウムがありましたが、その内容は、以下の岩上安見さんのサイトで、見ることができます。
■市民・科学者国際会議:放射線による健康リスク~福島「国際専門家会議」を検証する~
2011年10月12日(於:国立オリンピック記念青少年総合センター)
●「低線量」内部被曝による健康障害:松井英介
http://www.ustream.tv/recorded/17822655
●チェルノブイリ大惨事による健康影響の実相―無視され続けてきたがん以外の健康被害-崎山比早子(医学博士、高木学校)
http://www.ustream.tv/recorded/17824364
●真実を見極める チェルノブイリ、ドイツ、フクシマセバスチャン・プフルークバイル(物理学博士、ドイツ放射線防護協会会長)
http://www.ustream.tv/recorded/17826285
●実態とかけ離れた放影研の被爆者研究:沢田昭二(物理学博士、名古屋大学名誉教授)
http://www.ustream.tv/recorded/17827015
●円卓会議1
http://www.ustream.tv/recorded/17829634
●円卓会議2
http://www.ustream.tv/recorded/17828447
その講演会で、複数の講演者の先生方から、IAEA,ICRP,WHO,ABCC,放影研といった名前が、何度も出てきました。
こうした組織の来歴を知っておくと、20mSvでも100mSVでも大丈夫という日本政府や山下たちの主張が、アメリカの核戦略や日本の対米従属の背景や戦前の日本の残虐行為の典型である731部隊とも関係した根の深い問題であることが、分かるように思いましたので、調べてみました。
日本政府が、福島県民を見殺しにしようとしてしていることもうなずけます。
アメリカは、広島と長崎に原爆投下をしたあと、原爆の使用が、国際法で禁じられている長期的影響のある兵器であることを隠蔽し、自国での原爆製造過程で、不可避に生じる内部被曝を隠蔽する一方で、今後勃発するかもしれない第三次世界大戦のために、広島、長崎の被曝調査のために、ABCC(原爆障害調査委員会) を作ります。
ABCC(原爆障害調査委員会)についてのウィキペディアの説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E7%88%86%E5%82%B7%E5%AE%B3%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A
若い人は、知らないかもしれないけれど、遠藤周作の「海と毒薬」という小説でも描かれていた、中国人やロシア人の捕虜をマルタと称して生体解剖した731部隊という医者たちが居ました。戦後の731部隊というサイトでは、次のような記述があります。
「1947年アメリカの占領軍当局の「要請」により政府は戦後最も重要な日本の医学研究所である国立予防衛生研究所(予研)を設立。その職員は東京大学伝染病研究所の出身者で半数を占め、細菌戦の研究機関にかかわっていたとされている。
予研は、病原体とワクチンの研究であったが、生物製剤品質管理も一手に任されていた。しかし、一般に知られていない目的に、予研は広島、長崎のアメリカ管理下にある原爆傷害調査委員会(ABCC)に協力するよう指示されていた。予研もABCCも被爆者の治癒に専念するのでなく、被爆者の肉体的・精神的障害の進展状況を研究していたのである。
予研設立当時の副所長であり、元細菌戦人体実験の研究者であった小島三郎は「この好機を逸すべきでないという事は等しく職者の考えたことである」と語っている。予研はABCCによる被爆者への原爆の影響の追跡サポートをしていたのである。
被爆者はABCCに診察を強要され、全裸にされてさまざまな検査をされた。そして被爆者が亡くなった場合家族は検屍解剖を強制的に承認させられたのである。被爆者は最後の最後まで人間として扱われる事がなかったのである。」
「死の工場」ショルダン・H・ハリス著より
戦後の731部隊より http://peace-k.eco.to/731butaitokouti/sengono731butai.htm
国立予防衛生研究所とABCCは、1975年、日米両政府によって「放射能影響研究所」に改組されます。
沢田さんの講演で、批判の対象となっていた放射能影響研究所は、日本国の法律に基づき設立された財団法人で、日本国政府とアメリカ政府により設立・運営されていて、日本側の所管省庁は厚生労働省と外務省。
その「放影研」の理事長になったのが、元ABCCの日本側代表だった重松逸造で、彼はその後ICRPの委員や厚生省研究班長を歴任します。ウィキペディアには、次のような記述があります。
「1990年4月、IAEAが発足させたチェルノブイリ原発事故をめぐる国際諮問委員会(IAC)の委員長に就任。各国から集められた200人の専門家集団の責任者として、ソ連国内の汚染状況と住民の健康の調査、住民の防護対策の妥当性の検討を目的とする 国際チェルノブイリプロジェクト実施にあたった。翌1991年5月、ウィーンのIAEA本部で開かれたプロジェクト報告会において、汚染地帯の住民には放射能による健康影響は認められない、むしろ、「ラジオフォビア(放射能恐怖症)」による精神的ストレスの方が問題である、1平方km当り40キュリーという移住基準はもっと上げてもよいが、社会的条件を考えると今のままでしかたないであろう、との報告をまとめ発表した。」
IAEAによるチェルノブイリ事故の隠蔽には、重松逸造が深く関わっていたことが、わかります。その弟子が、山下俊一です。「笑っている人間には、放射能はよってこない」とは、まさに師匠ゆずりの発言でしょう。
こうして調べてみると、日本政府の対米追随や福島県民の被曝を放置した日本の原発行政の影には、アメリカ政府の世界戦略の都合によって免罪され返り咲いた、戦前の戦争犯罪者たちの流れが、未だ日本の中枢を握っていることに気づかされます。
戦後の731部隊のサイトでは、731部隊のメンバーが、薬害エイズで有名になった「みどり十字」はじめ、さまざまな職種で、要職についていることが、確かめられます。日本のエリートたちが、腐敗するのも、これまで常に憲法問題がないがしろにされたのも、65年前の亡霊たちの流れが、未だ脈々と生きているからだと思います。山下氏は、カトリック信者だと聞きます。彼は、主観的には、自分を「善人」と思っていることでしょう。そうだとすると、真宗的に言うならば、彼は往生しないでしょう。そして同じくカトリックである曾野綾子が二代目の理事長であった日本財団が、山下をサポートし、チェルノブイリに12台のホールボディーカウンターを届けさせ、その一方でIAEAの手先だった重松が、チェルノブイリの安全宣言をするのも、わかる気がします。彼女は、ペルーのフジモリ元大統領をかくまっていましたが、これもカトリックのある種の一派と関係しているのではないかと僕は、推測しています。
こう書いたからといって、僕が、カトリック全般を嫌っているわけではありません。これ以上書くと。信仰という微妙な難しい問題になりますから、やめときますが、イエスだったら、彼らをキリスト者とみとめたでしょうか?
ともかく、日本の戦後政治は、日米双方のそれぞれの思惑によって、岸はじめ、戦前の戦犯たちが復権し、各分野でのさまざまな隠蔽によって、国民を騙し、実権を握り続けた65年でした。こうした連中が、核保有の夢を捨てないのは、その心性からして、当然のことです。福島の原発事故への政府の対応は、平和憲法を隠れ蓑にしながら、核兵器開発を進めてきた支配者たちの心性を、明るみにだしているように見えます。
IAEA、ICRP、WHO、ABCC、放影研といった組織の来歴を調べると、やはり原発問題は、エネルギー・シフトなどの問題ではなく、日本の核保有の問題であることが、はっきり見えてくるように、僕には思えましたので、長くなりましたが、書いてみました。長い文章、読んでくれた人は、ありがとうございました。
久松拝
ICRP(国際放射線防護委員会)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E9%98%B2%E8%AD%B7%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A#.E6.A6.82.E7.95.A5
IAEA(国際原子力機関)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E6%A9%9F%E9%96%A2
(以上、転載終わり)