市民活動の資料はどんな可能性をもっているか

■短信■ 東京の市民団体が講演会開催へ

ミニコミの収集・保存・公開を通して、人々の自立と市民自治を高めてゆくことを目指す「ネットワーク・市民アーカイブ」は、6月8日(日)午後2時~4時30分、立川市錦町3丁目、たましんRISURUホール(立川市民会館)5階第1会議室(立川駅南口から徒歩12分)で、「ネットワーク・市民アーカイブ11周年記念講演会」を開く。
講演会の演題は『アーカイブズと戦争~記録と資料が語る平和への道~』で、講師は、東京大空襲・戦災資料センター館長で歴史学者・一橋大学名誉教授の吉田裕さん。

ネットワーク・市民アーカイブは、市民活動の資料について次のように述べている。
「市民社会の形成と成熟に向けて、現在の世代と後に続く世代とが時間・空間を越えた交流を進めるための基盤、それが『市民活動資料』です。市民活動資料には、団体が発行した会報やミニコミからチラシ、ビラ、ウェブ上の文書などが含まれます。それらは、私たちの暮らすこの世界が、草の根の市民の知恵や潜勢力によって支えられ創造されていることを気づかせてくれる、大切な源泉でもあります」
「市民活動の中で生み出される資料は、それぞれの課題の現場・当事者の立場からの事実が表現されており、それらの物事についてのより深く広い視点からの理解が可能になると同時に、活動している方々の工夫やがんばり、喜びや苦労が伺われ、励まされます。このような市民活動資料の価値をぜひもっと多くの人に知っていただきたいと思います」

同アーカイブによれば、2002年開館の東京大空襲・戦災資料センター(東京都江東区北砂)は、民立民営の施設として、散逸しかねない戦時資料や空襲にまつわる人々の記憶を集め、記録し続けているほか、講座や実習など、さまざまな方法で次世代に戦争体験をつなぐ実践をしている。それに、吉田館長は、アジア・太平洋戦争の歴史を探究する研究者として知られ、特に兵士への視点から戦争の現実について多くの著作を発表してきたという。
「新しい戦前」といった言葉が聞こえてくる今、私たちは過去の経験をいかにして平和への道に活かすことができるか、吉田館長と一緒に考えたい、としている。

◆ 参加申込み先:ネットワーク・市民アーカイブ
℡&FAX 042-396-2430 申込み優先・先着75人
◆ 資料代:500円(会員無料)

(岩)