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「もんじゅ」の失敗は100%保証済み
夢の原子炉ではなく、悪夢の原子炉だ-広瀬 隆
新著『原子炉時限爆弾-大地震におびえる日本列島』
★1 広瀬隆さんが、8月28日ダイヤモンド社から、15年ぶりの反原発書を出版
された。題名は、『原子炉時限爆弾-大地震におびえる日本列島』。7月に集英
社新書として出版した『二酸化炭素温暖化説の崩壊』につづく、鋭く、的確な指
摘の警世の書である。(両書とも、たんぽぽ舎で扱い)。その『原子炉時限爆弾』
の中で、先日、お粗末で重大な事故を起こした、「もんじゅ」について、「もん
じゅの失敗は、100%保証済み」という2頁半の鋭い、今回の事故も予見したか
の記事がある。その要旨を紹介します。
★2 もんじゅの失敗は、百パーセント保証済み(本文252~254頁)の要点。
核分裂しやすいプルトニウム239がブランケットに生まれ、実に98%という
高濃度になり、原爆製造に必要な93%よりはるかに高いプルトニウムが得られる。
そこで、核保有国では、高速増殖炉の開発にしのぎをけずることになった。つま
り高速増殖炉は、核兵器用のプルトニウム製造炉としてスタートした、文字通り
原爆製造用原子炉である。これに成功すれば、核分裂しないウラン238を使っ
て、原子力発電でも燃料を100倍以上使え、ウランが40年で枯渇しても、“夢の
原子炉”高速増殖炉があれば、4000年以上も資源を使える。ところが、そうはな
らなかった。
まず、先端をきっていたアメリカが、1955年、1966年と炉心溶融事故を起こし、
開発から30年後に、全面的に断念。イギリス、ドイツ、フランス、ロシアもすべ
て、重大事故を続発して、開発をついに断念した。“夢の原子炉”は“悪夢の原
子炉”だったのだ。残った日本も、発電開始後3ヶ月あまりで、ナトリウム漏洩
で、火災事故をおこし(1995年12月)、文殊がお釈迦になった!
こうした原因は、冷却材に水を使わず、液体ナトリウムを使用していることが
致命的といえる。
福井県のもんじゅでも、先進国型の事故を踏襲するのは、時間の問題。
さらなる無謀さは、原子炉の立地条件にある。福井県敦賀市白木地区である。
もんじゅの敷地の真下には、長さ15kmの白木-丹生断層が走り、原研機構も認知
した。25年前に、耐震性450ガルで設計、竣工されて以来、760ガルにまで耐震性
度がひきあげられているのに、本質的には、強度強化はできないまま。
この一帯は、琵琶湖の東岸沿いに、日本海まで山のような断層群があり、柳ヶ
瀬・関ヶ原断層帯は、全長が100kmにも達するので、マグ二チュード8を超える
大地震の震源域。
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