佐倉市立美術館の「広野多珂子 絵本原画展」に出かけた。私には初めて聞く名前だったが、佐倉市に20年以上も住んでいる画家とのこと、愛らしくどこかなつかしいチラシの絵を見て、ぜひと思っていた。会期の早めに出かけた連れ合いからも勧められていた。
広野多珂子(1947~)は、夫とともにスペインで美術を学び、帰国後のスペインのオリーブ畑に囲まれた小さな村で暮らす少女スーザとおばあさんとロバたちが繰り広げる物語は「ねぼすけスーザシリーズ」として7冊を成している(1991~2014 福音館書店)。明るくて、やさしくて、善意の人たちとの触れ合いの中で進む話に癒される思いであった。
スーザの両親はスペインの内乱で亡くなっており、おばあさんというのは血縁があるわけではなく、取り上げた助産婦さんだったという設定である。また、角野栄子「魔女の宅急便その2」(1993年 福音館書店)の絵も描いていることを知った。赤ちゃん絵本,科学絵本、児童書の挿絵など多分野で活動していることもわかる。残念ながら、私が娘と読んだ絵本や物語は、1970年代から80年代にかけてのところでストップしているから、新しい世界を知るのも楽しい。


チケットの絵は、「ねぼすけスーザのおかいもの」の表紙。下は「寝坊助スーザのはるまつり」「絵本原画展のカタログから。原画で見ると、いずれも動物たちの表情がそれぞれ愛らしい。

「ピーテル、はないちばへ」(2015年 福音館書店)、「絵本原画展」のカタログから。両親が育てた花市場に売りに出かけた後、忘れたお釣りの小銭を届ける少年の物語。迷路のような運河をちいさなんボートを漕いゆく。スペインにも運河が多いのだろうか。似ているなあ、アムステルダムの運河、大掛かりな花市場を思い出すのだった。

「さんぽみちのオナモミ」(2016年 福音館書店)、「原画絵本展」カタログから。科学絵本の中の一冊。2003年年佐倉に転居、散歩の犬にも引っ付いてくるオナモミのなり立ちを精密なタッチで描く。右の絵は、京成臼井か佐倉への車窓から見える風景である。
初出:「内野光子のブログ」2026.3.13より許可を得て転載
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2026/03/post-634ff1.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion14727:260314〕









