1959年 浪人中~大学1年 41( 邦画30 +洋画 11)本
花のれん(豊田四郎) 初夜なき結婚(田中重雄)女ごころ(丸山誠治)
祈りのひと(滝沢英輔) キクとイサム(今井正) 新婚列車(穂積利昌)
若い川の流れ(田坂具隆)風花(木下恵介) 地上(吉村公三郎)
白い山脈(今村貞雄) お嬢吉三(田中徳三) 狐と狸(千葉泰樹)
野獣死すべし(須川栄三)次郎長富士(森一生) 弁天小僧(伊藤大輔)
あたらしい製鉄所(瀬川順一) 子の刻参上(田坂勝彦)
伊達騒動風雲六十二万石(佐伯清) 謎の十文字(荒井良平)
隠し砦の三悪人(黒澤明)潜水艦イー59号降伏せず(松林宗恵)
素晴らしき娘たち(家城巳代治) 千代田上炎上(安田公義)
決斗水滸伝・怒涛の対決(佐佐木康) 新吾十番勝負(松田定次)
江戸っ子判官とふりそで小僧(沢島忠) 電話は夕方鳴る(吉村公三郎)
酔いどれ天使(黒澤明) 浪花の恋の物語(内田吐夢)人間の壁(山本薩夫)
大いなる西部(ウィリアム・ワイラー)
最後の歓呼(ジョン・フォード)
人間と狼(ジュゼッペ・デ・サンティス)
ボクの伯父さん(ジャック・タチ)
モンプチ私の可愛い人(ヘルムート・コイトナー)
くたばれヤンキース(ジョージ・アボット、スタンリー・ドーネン)
先生のお気に入り(ジョージ・レートン)
お熱いのが好き(ビリー・ワイルダー)
恋人たち(ルイ・マル)
お嬢さん、お手やわらかに(ミシェル・ポワロン)
騎兵隊(ジョン・フォード)
「新平家物語」(1955年)以降、市川雷蔵(1931~1969)主演の「月形半平太」「弁天小僧」「お嬢吉三」「次郎長富士」などはマメに見ていた。いまでいう「推し」だったのかもしれない。当時は、毎月のように!!雷蔵の主演映画が公開され、大映を背負う稼ぎ頭であった。酷使された上の早世ではなかったか。社長の永田雅一は、そのワンマンぶりや語り口から「永田ラッパ」と呼ばれていた時代だった。悪名高い「五社協定」も主導し、話題になったのを思い出す。一方で、高度成長を後押しするような記録映画にも力を入れていたようで、夕張炭鉱を舞台に石炭の重要性を説く「黒い炎」(1958年)、北アルプスの景観に迫った「白い山脈」(1959年)、千葉川崎製鉄の「あたらしい製鉄所」(1959)なども封切り映画と併映されていた。
「新・平家物語」(吉川英治)は『週刊朝日』で、「氷壁」(井上靖)、「人間の壁」(石川達三)などは、新聞の連載中にも愛読したものだが、連載が終わるとすぐに映画化されることが多かった。
この年は、大学に入った解放感も大きかったが、夏からの半年間の闘病の末、12月に母が56歳で亡くなった寂しさもあった。前年に結婚した長兄の初孫の誕生、私の進学をも見届けてくれたのが、せめてものなぐさめであった。いまだったら、手術や化学療法で助かった命であったかもしれない。
初出:「内野光子のブログ」2023.1.21より許可を得て転載
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