憲法記念日を期して、いつもの退屈な護憲議論の横行。筆者から見れば、平和ボケの一変奏にしか感じられない。
- 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
- 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
( 日本国憲法第九条より。下線太字は筆者による。)
これだけ読めば、戦争回避なぞ、現行憲法下でも決してできないことが一目瞭然ではないか。「国際紛争」ではなく「自衛」であると強弁すればそれで万事オッケーでしょう。現に自衛隊がそのように「改釈」されてきた経緯があるのだ。
かつての、「満蒙は皇国の生命線」とかのスローガンを思い返すべきだろう。第一次世界大戦後の世界情勢分析から、対共産主義=ソ連戦およびベルサイユ体制の瑕疵=ドイツの反逆すなわち第二次世界大戦不可避、を見据えて、帝国陸軍中堅は、満蒙の資源確保必須として、満州国でっち上げ~日中戦争へと突き進んだ。
ものはいいようである。さらにいえば、陸軍の暴走を何より煽ったのは、大新聞=メディアと「皇国臣民」自身であったことを明記すべきなのだ。少なくとも、筆者は現今の「護憲派」なんぞに与することだけは決してないだろう。
平和勢力=戦後民主主義の隊列に惰性的に加わるのか、ラディカルにその陥穽を突いていくのか、今問われているのはそこではないのか。
ついでながら、いっておけば、TPP反対は国粋農本主義の間際にまですでに後退している。国際主義はどこに行ったのか?