憲法論議の補遺(訂正)

長谷川政安著「社会科学としての憲法学」と書きましたが、「政」の字は間違っておりました。 正しくは、「正」ですので御詫びして訂正致します。 また、引用しました論考を収めた著書は絶版になっているようですが、著書名は「憲法学の方法」です。

同書の出版時には、憲法を学ぶ者には、立場の違いを超えて可成りの衝撃があり、法令解釈学に立て籠もる旧来の法学徒の基盤が揺らいだかのようでした。 ただ、氏の立論は、マルクスの「経済学批判」の文言を公式の如く引用されて、これぞ「科学」と云わんばかりで、氏が前提にされておられた「科学」に疑問符を抱いていた者には、説得力が余り有りませんでした。

ただ、法令解釈学のみを法学とするのは、悪しき伝統との理解が浸透したのは確かではありましたが、未だに、その残滓は残っているものと思われます。 法律学は、官僚養成のための学問の典型ですから。