日本人は本当に戦争に抵抗しうるか。こういう問いを生涯の持ち続けていたのが鶴見俊輔だった。これは彼の戦中体験でもあったのだが、戦争が過去の問題から未来の問題に転じつつある今、僕はこの問い重要性をあらためて実感している。国会横の茱萸坂を人混みにもまれながら上り下りしていて反芻していたのもこのことだった。安保法案(戦争法案)に反対する人々が国会周辺に詰めかけていた夏のことである。
この夏は猛暑で体力的にはバテバテだったのだが、なんとか頑張って『流砂』9号を出し、この問い応えようとした。自分の原稿の出来には満足してはいないが、議論の素材になるものは提起できたと思う。寄稿していただいたものもそれぞれ優れたもので興味深い。というわけで『流砂』の執筆者と読者で9号の合評会をしたい。9号の作品を合評しながら、戦争をめぐる論議を交わしたいのである。これは今後、重要なことになっていくことだと思える。
戦争について僕らはどう考えてきたのか。本当に戦争に抵抗する道はあるか。などの問いを共有しながら、戦争についての議論を深めたい。戦争に反対するのは常識であり、特に左翼はその立場にあったと思われてきたが、曖昧なところも残してきたのであり、そこは検証してみる必要のあることだと思う。今後のためにである。様々の観点からの戦争についての議論が深めたい。
また、『流砂』10号についての意見や要望も聞きたいと思う。10号は来年の3月、あるいは4月の発刊が通常のペースであるが、これを変更して来年1月の発行にしたい。従って、原稿の締め切りも12月の末か、来年のはじめということになる。10号は基本的には9号を受けての展開ということになるが、その意味では10号の執筆者、執筆希望者に望むことも含めた議論になることを期待している。
『流砂』9号の合評会
日時 11月14日(土) 13時~17時
場所:変革のアソシエ事務所 中野区中野2-23-1ニューグリーンビル3F 301号室(JR,地下鉄南口徒歩3分)交番の裏の坂道を登り、新宿方向へ)
電話03-5342-1395または三上の携帯(090-3908-7330)。
参加自由(誰でも参加できます)。『流砂』9号に目を通してきてくださればとおもいます。
参加費 1000円