2010年大みそかにJALから整理解雇を通告された乗員(パイロット)、客室乗務員が解雇撤回を求めて別々に起こした訴訟に対し、東京地裁は、今年の3月にいずれの訴えも退ける判決を下しました。
しかし、その内容は、証拠を不公正かつ恣意的に選別した極めて不当なものでした。
とくに、見過ごせないのは、解雇者を年齢基準で中立的に選んだかのような装いの下で、これまで労組を担ってきたベテラン乗務員を根こそぎ、解雇者に含めたことです。
しかも、「路線の規模現に見合った人員減」と称して165名を回顧する傍らで、稲盛式「商人<あきんど>経営」のJALで、働きがいを失った客室乗務員500名がこの間にJALを去るという異常な事態が生まれ、710名を採用するという泥縄式経営です。
世間では稲盛氏をJAL再建の功労者かのように賛美していますが、多少ともJALの経営を知った私は、稲盛氏をめぐる虚像と実像の落差の大きさに唖然としています。
パイロット、客室乗務員の1審原告のほぼ全員が地裁判決を不当として直ちに東京高裁に控訴し、今日まで全国各地へ出かけて、「解雇自由の社会にするな」と訴えながら支援を呼びかけています。
裁判の経過と近況は、原告団のHPで詳しく説明されていますので、ぜひご覧下さい。
なお、客室乗務員の原告の一人である神瀬麻里子さんが派遣村TVに出演して、整理解雇の経過と地裁判決の不当性を非常にわかりやすく話しておられます。ぜひお聴きください。30分間です。
http://www.youtube.com/watch?v=zDsO8HPLxa0
マスコミの独自調査なきステレオ・タイプの風聞報道の影響もあって「高給取りのつけ」「一旦つぶれた会社なのだから解雇もやむを得ない」といった世評が根強くあります。
しかし、目下、原告は失業保険も切れ、各地へ支援の訴えに出かける交通費を含む活動資金を自費とアルバイトと物販で賄っている状況です。
そこで、皆様に至急、次のことをお願いします。皆さまのお知り合いにも声をかけて下さい。
1.「不当解雇とたたかう日本航空労働者を支える会」への入会とカンパにご協力下さい。
http://www.jalgkd146.org/files/no00236.pdf
2.原告団が扱っている物販の購入にご協力下さい。
http://www.jalgkd146.org/files/no00235_1.pdf
私からもお伝えしたいことは、やまほどありますが、1回のメールではかないません。
そこで、この整理解雇裁判に関して私が東京地裁に提出した意見書のURLを貼り付けます。
長文ですが、お付き合いいただける方はご覧いただけると幸いです。
醍醐聰「日本航空の整理解雇の必要性に関する意見書~財務面からの検討~」
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/jal_saiban_ikensho.pdf
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion0929:120709〕