日本(再)沈没(その1):中央構造線が動き始めたか!? 南海トラフ地震や九州火山帯のマグマ活動が連動し、日本は川内原発・伊方原発とともに「放射能の海」に沈むのか=危険な原発は今すぐ止めろ・核燃料は撤去せよ

かつて作家の小松左京氏は1973年にSF小説『日本沈没』を書きベストセラーとなった。この小説では、中央構造線が裂けることで日本列島が海の底に沈んでしまうというストーリーだったそうだ(『週刊プレイボーイ』記事=下記 より)。それから約45年が経過し、再び中央構造線の活動による「日本沈没」が、今度はSF小説ではなく現実のこととして私たちの目の前に突き付けられている。しかし、今回のリアルな「日本沈没」は、海の底ではなく「放射能汚染」の底にである。もし沈めば回復の可能性はない。

●解説・あらすじ – 日本沈没 – 作品 – Yahoo!映画

http://movies.yahoo.co.jp/movie/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B2%88%E6%B2%A1/322931/

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電気は十分に足りているというのに、地域独占電力会社の経営改善のために、中央構造線という世界最大級の活断層の真上にある川内原発・伊方原発という2つの超危険な原発を再び稼働させ、割に合わない、電力会社のためだけの得手勝手な巨大リスクを取ろうというのである。中央構造線が動き始めている様子がうかがえるのは、今般の熊本地震の様子を見れば明らかだ。震源地は熊本中央から始まり、それが北東方向へ、更には南西方向に進展していき、まもなく川内・伊方両原発に到達しそうな勢いにある。

この中央構造線の活動は、一方で、ほぼ近未来に間違いなく来ると言われている南海(トラフ=船底形の海底地形)地震の到来を早め、かつ、九州一帯に広がる火山活動=マグマの動きを活性化する。万が一、中央構造線を震源とする大地震が川内原発や伊方原発の敷地直下で起こり、それが南海トラフ地震を誘発して巨大地震・巨大津波が九州や四国を襲い、更には、阿蘇や桜島や雲仙岳、あるいは新火山などのマグマ噴出火山活動が触発されたら、それこそ、中央構造線直下型地震、南海トラフ大地震・大津波、巨大破局的噴火の「3連動」となって、日本を壊滅的な原発震災に導いてしまう恐れがあるのである。

何ゆえに、私たちは、かような無謀なリスクを原子力ムラやその代理店政府によって強要されなければならないのだろうか。原発などなくても、私たちの日常生活には何の支障もないし、放射能の危険性への心配もいらない。にもかかわらず、私たちの「安全で安心な暮らし」を求める単純素朴な願いを踏みにじるようにして、危険な原発が再稼働されようとしているのである。許せない事態と言えるだろう。以下、昨今のマスコミ報道やみなさまからいただく情報の中から若干の事項を6つばかり選んで皆様にご紹介申し上げます。是非、目を通されてみて下さればと願います。何一つ、超危険原発の再稼働を合理化できる理由はありません。

危険な原発は今すぐ止めろ・核燃料は撤去せよ。原子力ムラやその代理店政治・行政に殺されてたまるか、我らが故郷を放射能の海に沈めてなるものか。みなさま、日本最後の「弔鐘」が鳴り始めています。近未来において後悔しないよう、今やれることはすべてやりましょう。このままでは日本は(放射能の海に)沈没します。

(1)4・14熊本地震 伊方原発・川内原発を第2のフクイチにするな(『週刊プレイボーイ 2016.5.16号』(4.25発売))

(2)原発と活断層 共存の怪(添田孝史 『AERA 2016.5.2・9』)

(3)特集ワイド:熊本地震 それでも再稼働か(毎日 2016.4.22 夕刊)

(4)中央構造線が動き始めた(山崎久隆(たんぽぽ舎) 2016.4.15)

1.4・14熊本地震 伊方原発・川内原発を第2のフクイチにするな(『週刊プレイボーイ 2016.5.16号』(4.25発売))

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160425-00064491-playboyz-soci

(一部抜粋)

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(中略)原発の危険性に警鐘を鳴らす作家の広瀬隆氏が指摘する。「益城町の揺れの強さは上下動で1300ガルを超えていました。一方、川内原発が耐えられるのは650ガル、伊方原発は620ガルしかありません。そもそも、1000ガルを超えたら地球上のものは宙に浮きます。そうなったらもう耐震性がどうのという問題ではなくなるのです」

東日本大震災では、福島原発が1000ガルよりも小さい揺れで被害を受けた。「2号機の配管は550ガルの揺れで壊れました。長時間揺れると弱いのです。今回は震源も浅く、しかも上下に揺れる直下型。特に、伊方原発は中央構造線のほぼ真上に立っている。大きな揺れが襲ったら、原発はひとたまりもなく吹っ飛んでしまうでしょう」

(中略)「伊方原発の使用済み燃料プールには、1400本を超える核燃料棒が保管されています。地震でプールが崩壊して冷却水が抜ければ、それだけでメルトダウンを起こしてしまう。つまり、動いていようがいまいが、日本中のすべての原発は危険なのです。そうした危険を防ぐには、使用済み燃料をドライキャスクと呼ばれる容器で貯蔵するしかありません」(広瀬氏)

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(田中一郎コメント)

今回の熊本地震は私たちに2つの教訓を残してくれた。一つは、上記に書かれているような原発立地における基準地震動のゴマカシによる地震被害の過小評価が、近未来において、私たちに対してとんでもない事態を招きかねないこと、そして、もう一つは、熊本地震のあとの被害地域の状況を見るに、あの悲惨な状態に更に原発過酷事故による大量の放射能が降り注いだ場合には、とてもではないが、避難することもできず、さりとて地震の揺れで破壊・半壊・傷ついた自宅建物に待機するわけにもいかず、絶望と苦難の中で被災者が大量に被ばくさせられてしまうことは明らかでしょう。この辺のところを、現地取材の結果が書かれているこの記事で、再確認をしていただければと思う。

国際原子力機関(IAEA)が提唱している「深層防護」のイロハさえ守らず、第4層、第5層ははなから放棄しておいて「原発の安全は保障しない」などと居直る原子力規制委員会・規制庁、田中俊一原子力規制委員長、この連中こそが、地域独占のロクでもない電力各社や原発メーカー・ゼネコンなどとともに日本の墓堀人=日本(再)沈没をもたらす張本人たちである。

(参考)深層防護レベルとは何か(平成25年9月4日 大阪大学 高田孝(原子力安全分科会))

http://www.aesj.or.jp/sc/comittees/gijiroku/etc/sc2013a-0202.pdf#search=’%

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(知らない名前の学者(原子力ムラ?)のレポートですが、これのP4をご覧ください:田中一郎)

2.原発と活断層 共存の怪(添田孝史 『AERA 2016.5.2・9』)

http://dot.asahi.com/aera/2016042500144.html

(一部抜粋)

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(中略)岡村眞・高知大学特任教授らの調査で、敷地前面の中央構造線断層帯が、1万年前以降もたびたび大地震を起こしていることがわかった。

(中略)岡村特任教授は「古い原発でも使える範囲でしか、想定を変えていない。最近のデータに照らせばまだ過小評価。中央構造線が動けばこんなものでは済まない」と話す。

(中略)04年12月に北海道小平町付近で起きた地震は電力会社を驚かせた。M5・7にすぎなかったのに585ガルの揺れが生じ、当時のほとんどの原発の耐震設計レベルを超えてしまった。断層が割れる方向と揺れの伝わる方向が重なったことが「想定外」をもたらした。この地震を踏まえ、原発は最低でも620ガルの揺れを想定するようになった。しかし、各地の脱原発訴訟に関わっている内山成樹弁護士は「それでも不十分だ」と指摘する。この時に揺れを記録した地震計は震央から9キロ離れており、最大の揺れを拾えたのか、わからないからだ。「原発は、わずかな期間の、ほんのわずかな地震の観測記録で耐震設計されている」と危倶している。

07年の新潟県中越沖地震では、東京電力の柏崎刈羽原発が想定の3・8倍の揺れに襲われた。09年の駿河湾の地震では、中部電力の浜岡原発(静岡県)が異常な揺れにさらされた。どちらも特殊な地質構造が原因らしいが、地震が起きるまでは、知られていない現象だった。

田中警員長は4月18日の会見で「想定外の事故が起きるとは判断していない」とも述べたが、どちらかといえば、原発に関しては地震のたびに「想定外」が起きていると言える。人為的な見落としもある。

(中略)石橋氏は14年の著書で、M9の東北地方太平洋沖地震が日本列島全体のひずみを変化させた影響で、紀伊半島から別府湾に至る中央構造線断層帯が内陸巨大地震を起こす可能性を指摘。各地の原発の中でも、浜岡原発と伊方原発を真っ先に「再稼働は無謀」と名指しした。

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(田中一郎コメント)

福島第1原発事故を引き起こした東京電力の最高幹部たちを「刑事裁判起訴」に至らしめる重要な調査報道を独力でやってのけた元朝日新聞記者の添田孝史氏の論考です。原発敷地における基準地震動・基準津波のゴマカシをめぐる重要な指摘がなされています。

3.特集ワイド:熊本地震 それでも再稼働か(毎日 2016.4.22 夕刊)

http://mainichi.jp/articles/20160422/dde/012/040/056000c?fm=mnm

■注目ニュース■(毎日新聞より)

熊本地震は、この国が「地震大国」であることを改めて知らしめた。続発する揺れによる被害拡大と併せて心配されるのが、原子力発電所への影響だ。一連の震源域の近くには、全国で唯一稼働している九州電力の川内(せんだい)原発(鹿児島県)と、海を挟んで四国電力の伊方原発(愛媛県伊方町)がある。原子力規制委員会は川内原発の運転を止めず、その他の原発でも再稼働に向けた準備が進んでいる。このまま立ち止まらなくてもいいのだろうか。

4.中央構造線が動き始めた(山崎久隆(たんぽぽ舎) 2016.4.15)

下記にも山崎さんのレポートが掲載されています。今や山崎さんはプロ級の「原発リスク分析専門官」です。みなさま、是非ご一読を。

(1)たんぽぽ舎MG より

https://chikyuza.net/archives/62103

(2)たんぽぽ舎MG より

https://chikyuza.net/archives/62180

5.(メール転送です)(そもそも総研)大地震が起きているのに原発を動かしても大丈夫なのだろうか?

https://www.youtube.com/watch?v=EmPnDwCXmcs

http://www.dailymotion.com/video/x45y5zx_%25E3%2581%259D%25E3%2582%2582%25E3

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(田中一郎コメント)

先般この番組をご紹介した際には、VTRはネット上に発見できませんでしたが、ある方からそのURLを教えていただきました。上記の1時間11分からの「そもそも総研」の部分をご覧ください。(下の方のURLは「そもそも総研」そのものです)

6.(メール転送です)地震衝撃波が日本の学界では無視されている。岩盤の上に建てられている原発は特に危険だ taked4700

http://www.asyura2.com/12/genpatu26/msg/499.html

(田中一郎コメント)

地震がもたらす地震波にはP波とS波があり、P波は「先行波」、S波は「本格波」。日本の代表的な腰抜け御用学会である地震学会では、もっぱらS波のみに注目して地震の威力が論じられているが、実はP波も危険だという話。各原発の基準地震動が600~700ガル程度の想定で設計されて、安全だ、安全だと宣伝されるが、実際にここ数十年の間に幾度も起きている日本列島での地震は、それよりも桁数が1つ大きい数千ガルのものがざらにある。いったいどうなっているの? こんなので大丈夫なの? と疑問を呈すると、御用学者たちが言うには「原発は地盤が固いところの上に立地されているから、実際にはそんなガル数にはならない、心配無用」などと煙に巻かれてしまう(実際はゆるゆる地盤の上に立てられていても、そんなことを言っている場合が多い=柏崎刈羽原発や浜岡原発などはその典型である)。しかし、このサイトの説明を読むと、実はその説明はS波の場合の話であって、P波については「真逆」=つまり、硬い地盤の上にある方がよりガル数が上がり、揺れが増幅されるというのだ。

書かれていることがどこまで本当なのか、私には判断しがたい。今度、地震学者の講演会で質問してみようと思っている。原発を進めるものや原子力規制委員会・規制庁は、S波とP波の違いや、上記サイトに書かれていることについて、きちんと評価をして有権者・国民・市民に説明をする必要があるし、地震学者からの見解ももらっておく必要があるだろう。もし、書かれていることが本当なら、これは大変なことである。まさに基準地震動は過小評価であることが赤裸々となるからだ。(このサイトもある方よりご紹介を受けています)

(参考)(メール転送です)九州地域の活断層の長期評価(第一版)(地震調査研究推進本部地震調査委員会 2013.2.1)

http://www.jishin.go.jp/main/chousa/13feb_chi_kyushu/k_honbun.pdf

(上記のP70前後をご覧ください:田中一郎)

t1t2〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6060:160429〕