日米防衛協議、「地位協定改定」にも踏み込め

日米両政府は1月17日、外務・防衛当局の課長級協議を開き、日米防衛協力の指針(ガイドライン)見直しの検討を始めた。安倍晋三首相が、抑止力を高めるため自衛隊の役割を強化する必要があるとして、小野寺五典防衛相にガイドライン見直し検討を指示していた。
防衛省で開かれた協議には、日本側から防衛省の増田和夫・日米防衛協力課長と外務省の鯰博行・日米安全保障条約課長ら、米側から国防総省のジョンストン北東アジア部長と国務省のナッパー日本部長らが出席した。
1997年に改定された現在のガイドラインは、主に朝鮮半島での有事を想定しているため、今回の協議では、中国が海洋進出の動きを活発化させていることや、北朝鮮による事実上のミサイル発射など、変化する安全保障環境を巡って意見が交わされた。日米両政府は今後も協議を続け、離島の防衛に備えた協力なども検討する方針で、ガイドライン見直しには1年以上かかるという。

米軍の綱紀粛正は機能せず

大分合同1月21日付朝刊は20日、「「連合大分と連合ブロック協議会は『在日米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の抜本的見直しを実現する日出生台シンポジウム』を大分県玖珠町で開いた。古賀伸明連合会長、高島喜信連絡会代表幹事が「米軍の綱紀粛正は機能しておらず、地位協定の見直しなくして山積する問題は解決しない」とあいさつ。次いで元内閣官房副長官補の柳沢協二氏が「アメリカのアジア戦略と基地問題」と題した基調講演を行い、1996年の米軍普天間飛行場返還合意から現在までの米軍事戦略を紹介しながら、沖縄基地の位置付けの変移を説明した。パネルディスカッションでは、玉城義和沖縄県議が『多くの海兵隊員がいるのでトラブルが起きるのは当然。これからもパートナーであり続けるならば地位協定を見直し、平等の関係になるべきだ』と発言。外務省の河辺賢裕北米局日米地位協定室長は、地位協定の運用改善について説明し『世論の後ろ盾があれば、対米交渉はやりやすくなる』と答えた」と報じた。

横須賀でまた、酔った米兵が住居侵入

在日米軍の無法ぶりが続発している折、またまた横須賀市で住居侵入事件が起きた。横須賀警察書は1月21日午前2時50分ごろ、横須賀市汐入町の無職女性(72歳)宅の敷地内に侵入した疑いで、原子力空母ジョージ・ワシントン乗組員の1等水兵シルバ・マヌュエル容疑者(20歳)を現行犯逮捕した。酒に酔って洗濯機置き場にごろ寝していたという。

沖縄県で昨年10月に起きた集団強姦致傷事件を受け、在日米軍は夜間(午後11時~翌日午前5時)の外出禁止を発令したものの、米兵の乱行は全く改まっていない。

安倍政権はもっと強い姿勢で対米交渉に臨み、今回の防衛協議でも不平等な地位協定改定問題を取り上げてもらいたい。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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