時の風化に抗し権力に確執し続ける意志と声を–連帯・共同ニュース229号

2012年2月20日
■日本では権力を支える力はその構成者たちの意志だけではない。例えば、国家意志はそれを担う政党や官僚やメディア、あるいは政治家や知識人の集合力だけではない。それに時、つまりは時間という要素がある。時の流れは権力の大きな力となる。日本の権力者たちはそれをよく知っていて、彼らの意志や力の行使にも配慮している。だが、さすがに原発震災のもたらしたものは彼らの期待しているようには風化はしていない。そこに彼らの焦りもあるように推察される。全原発停止(原発ゼロ)を恐れる原子力ムラなどの原発推進勢力はその巻き返しの速度を強める。ストレステストの評価や専門家の意見聴取の強引な進展はその表れである。また、政権や民主党の内部から再稼働容認の動きが浮上してくるのもそうである。ただ、原発政策の基本を曖昧にしたままの再稼働には政権や民主党の内部の軋轢や矛盾も強める。枝野経産大臣の2月20日東京新聞での再稼働に慎重な発言などのように政府や民主党内部で再稼働慎重派の抵抗も強まる。官僚主導の政治に傾斜を強める民主党政府であるが、それに抵抗する部分も存在するのである。
■3月11日前後には各地域での集会や催しあるいはデモなどが伝えられるが2月19日(日)には「脱原発杉並デモ」に出掛けた。4千人を超える人々の結集の中での熱気のある行動だった。脱原発の意志結集としてあらゆる垣根を取り払っていること、サウンドが醸す雰囲気などがよかった。昨年の脱原発行動の道を切り開いた高円寺デモが継承されていて素晴らしかった。権力の動向に抗する力強い動きであり、これは地域を超えてものだが、準備されている3月11日前後の行動への大きな励ましとなった。地域での集会やデモで権力に対抗する意志表示を続けよう。
■2月20日(月)に9回目のストレステストの意見聴聞会(午後15時~18時)がある。これに対して14時45分~15時30分に保安院前アクションがある。18時~19時には傍聴報告と抗議集会がある。いずれも経産省別館前にて。(テントは本館前だがすぐ近くである)。2月21日(火)原子力安全委員会・大飯審査書検討会(14時~17時;中央合同庁舎4号館2F)。傍聴には13時より入場整理券の配布がある。4号館北門前でのアピール行動がある(13時15分~45分)。
2月20日(月)12時50分~15時30分まで参院議員会館講堂にて大飯原発3・4号機の再稼働に待ったを表明する院内集会がある。井野博満・後藤政志さんを迎えての集会。尚、前号で告知した3月10日・11日の福島集会《バスと宿泊》参加には早目に連絡を。  (文責 三上治)