米海兵隊は垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを、岩国基地から普天間飛行場へ移し、普天間飛行場への配備通告を出した。台風の影響で2日間見合わせていたが、天候が回復したので「10月1日に沖縄へ配備する」と、米側は9月30日防衛省に伝えてきた。
台風には勝てないオスプレイだが、沖縄県民には環境配慮について十分な話し合いを持たず、市街地・宜野湾市での安全性要請は無視されっ放しである。
海兵隊は「事故原因を精査したが、操縦ミスによるもので、構造上の問題ナシ」と断定、防衛省も追認させられた。「配備ありき」のゴリ押し的姿勢に沖縄・山口両県民の反発は根強い。配備したものの、訓練実施までの道のりは険しかろう。
「普天間でのオスプレイ訓練は、F1レースを市街地でやるような危険性がある」との指摘を聞いたことがある。そうだとすればに戦慄を覚えざるを得ない。とにかく、ヘリから飛行機への「転換モード」時に事故が多発していることは明らかで、県民の不安は募るばかりだ。先の岩国市でのオスプレイ訓練に自治体関係者へ試乗を呼びかけたが、ほとんどが拒否。海兵隊の懐柔策を見抜かれてしまったのである。沖縄でも同様の呼びかけをするだろうが、さらに激しい非難を浴びるに違いない。
森本敏防衛相の〝米国のメッセンジャー〟のようなうろたえ振りはヒド過ぎないか。今からでも遅くはない。オスプレイの安全性、環境への配慮についての問題点・疑問点を米側に質していく積極姿勢を見せてほしいものだ。
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