普天間騒音訴訟 国に7億5000万円の賠償命じる

米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)周辺の住民約2200人が、米軍機の騒音で日常生活や睡眠を妨害され、精神的苦痛を受けたとして、国に計約10億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で那覇地裁沖縄支部は6月11日、国に計約7億5000万円の支払いを命じた。

沖縄の普天間基地周辺に暮らす住民が、軍用機による騒音で生活に著しい影響を受けているとして国に賠償を求めた裁判で、那覇地裁沖縄支部は「被害は受け入れなければならない限度を超えている」として、合わせて7億余万円の賠償を命じたものだ。

原告団長「基地の早急な返還を」

原告団長の屋嘉比康太郎さんは「裁判所が騒音被害を認めてくれたことは宜野湾市民としてえ嬉しく思う。国は今回の判決をしっかりと受け止め、普天間基地の問題に改めて取り組んでほしい。住民としては基地の早急な移設・返還をこの機会に強く訴えたい」と話していた。

一方、沖縄防衛局の井上一徳局長は「裁判所の理解が得られず残念だ。判決内容を慎重に検討し、関係機関と十分に調整して対処するとともに、普天間基地の早期移設・返還や、基地周辺の生活環境の整備などに努力していく」とコメントしている。

基地騒音で住民の苦情相次ぐ現状

宜野湾市の市街地ほぼ中央に位置する普天間基地には、去年10月現在、オスプレイや攻撃ヘリコプターなど48機が配備され、日常的に訓練を行っている。
米軍は、できるかぎり人口密集地の上空の飛行を避けるなどの運用ルールを定めているが、沖縄県と宜野湾市の調査によると、滑走路の延長線上にある上大謝名地区では、騒音の程度を示す「うるささ指数」が、国の環境基準を超えた日数が平成25年度は174日に上っている。

 

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