月末の請求書

 今回は、我々庶民の懐具合について。 
 私の元へも月末なので、次々と支払請求書やクレジットの利用明細書が届けられます。 中でも、明細を見て、何時、何故、こんなものに利用したのか、と自棄的厭世感や激しい後悔に苛まれるのが「クレジット」です。 銀行口座引落までに入金しておかなくてはなりませんので、給料その他の収入とクレジット利用明細書の金額とを天秤にかけて金策をすることになるのですが、毎月のように薄氷を踏むような(大袈裟)思いをします。 そんな時に限って、思いもかけない支出があったりして、寿命が縮みます。 
 おまけに、少ない収入から投資信託や債券を購入して「日本沈没」に備えていますので、その収支計算書が届けられて赤字を観て落胆するのも月末になるのです。 これでは、「日本沈没」の前に自分が「自沈」することになってしまいます。
 特に、クレジットがいけません。 その上、「PayPal」が導入されてから、私も通販に利用することが多いのですが、便利過ぎて金銭を支払って買い物をすると言う現実感に乏しいので、ついつい簡単に利用してしまいます。 また、「Amazon」を筆頭にネットでの通販が、これまた便利過ぎて犯罪的です。 おまけに、英米始め独の系列店での買い物も、同じく殆ど「クリック」のみでOKなので、重犯罪ものです。 
 海外通販は、ネットの気配も無い時代から経験しているのですが、インターネットの時代になってからは、格段に便利になり、配送も、時間と経費が大幅に短縮されました。 今や世界中から自由に買い物が出来るようになったのです。ただ、一点、「月末の支払」が無ければ天国なのですが。 
 クレジットには、トラブルもつきものです。 私自身は、つい数年前にデータの流出により何処の誰とも分からない者に利用され、不愉快で不気味な思いを味わいました。 某海外系のクレジット本社からデータが流失したのが原因です。 日本の提携クレジット会社が誠実に対応してくれたので、何の損害も受けなかったのが幸運でした。
 鉄道利用時にもクレジット提携のカードを使用することが可能ですので、殆ど現金を持ち歩く必要が無くなりつつあります。 しかし、便利なものには、落とし穴もあります。 私の場合には、聊か中毒気味になった海外通販に何んとかブレーキをかけないと、月の大半をカップラーメンや自棄的に名付けた「精進料理」(肉抜き、魚抜き)と肝臓予防(酒抜き)で過ごさねばなりません。 
 日本が有する一千兆円を超える国債残高が、国民が通販で巨大な買い物をした挙句、月末に利用明細を観て溜息をつくようなものである筈は無いのですが、図式はとても似ていると苦笑してしまいます。