本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(150)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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狂気の時代

最近、海外では、盛んに「狂気の時代」という言葉が使われ始めた。そして、この理由としては、「10営業日連続で、史上最高値を更新中のダウ平均」や「トランプ大統領の無謀な政策」、あるいは、「北朝鮮の金正男氏暗殺事件」などに対して、「なぜ、このようなことが起こるのか?」が理解できない点が指摘できるようである。そのために、「ニュートン」や「アインシュタイン博士」などの言葉が引用されているが、具体的には、「天体の動きは理解できるが、人間の狂気は理解できない」、また、「何度も同じことを繰り返しながら、違う結果を望むことを狂気という」というものである。

このように、「人間の習性」としては、「自分が理解できないことは、狂気や異常な事態である」と考えがちになるものと思われるが、実際のところは、「歴史の流れとして、当然の事態が発生している状況」のようにも感じられるのである。つまり、「アメリカ株の上昇」についても、「お金の性質」からは、「ごく当たり前の事態が発生しているにすぎない状況」とも言えるようだが、実際には、「経済学の未熟さ」により、「既存の理論では、説明が付かない状態」のようにも思われるのである。

別の言葉では、「自然科学」と「社会科学」の「発展度の違い」が、前述の「ニュートン」や「アインシュタイン博士」の言葉に繋がったようだが、実際のところは、「300年ほど前の自然科学」も、現在の「経済学」と似たような状態だったものと思われるのである。具体的には、「地球は平面である」という理論が、疑いもなく信じ込まれ、この理由としては、「仮に地球が球体だったら、反対側にいる人は地球から落ちてしまう」という点が指摘されていたのである。

しかし、その後の変化としては、「ケプラーからニュートンへ」という言葉のとおりに、「新たな理論」が発見され、その後の「飛躍的な発展段階」へと移行したのだが、現在の「経済学」、そして、「人間の行動学」についても、今後、同様の発展段階を迎えているものと考えている。

具体的には、「唯物論」と「唯心論」、あるいは、「市場経済」と「共同体」などへの理解が進むとともに、「文明法則史学」という「人類の文明は、800年毎に、西洋と東洋とで交代する」という理論が理解されることにより、「世界の文明が、飛躍的に発展する可能性」のことだが、現在の「狂気的に見える現象」については、全てが、そのために必要な出来事だったようにも感じている。(2017.2.24)

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自分軸の構築

最近、色々なところで「自分軸」という言葉が聞かれるが、私自身にとっては、当初、「言語明瞭、意味不明瞭」のようにも感じられた。つまり、世界に存在する「70億人以上もの人々」が、他人の意見を聞かず、自分勝手な行動を取ったら、現在の「トランプ大統領」のように、世界全体を、引っ掻き回すだけの状況のようにも思われたからである。あるいは、現在の「北朝鮮」のように、「独裁者」が誕生し、「国民」は、黙って従うだけの状態となる可能性も危惧されたのである。

そのために、この点を、よく考えてみたが、この時に気付かされたことが、「70億人の輪」であり、実際には、世界全体が、一つの「大きな円」を形成している状況だった。そして、この中心には、「天」や「神」という「真理」が存在するとともに、「人々の心が、どの方向に向かっているのか?」が、最も大きな問題のようにも感じられたのである。つまり、中心に存在する「真理」に向かっているのか、それとも、「他人」に向かっているのかということである。

別の言葉では、「志」、あるいは、「心指し」が、「他人」に向かっている状況が、現在の社会を生み出しているようにも感じられたが、実際には、「他人」と比較することにより、「優越感や劣等感が発生する状況」のことである。その結果として、自分本来の「使命」を忘れがちになり、「不満」や「恨み」などの感情が発生する状況となっているようだが、一方で、数多くの「ノーベル賞受賞者」については、「自分軸が、中心の心理に向かって、一直線に伸びた状態」とも想定されるのである。

そして、「真理」に到達した時に、「新たな技術」などが産み出され、「人類全体の輪」が広がったものと思われるが、実は、このことが、私の想定する「大順主義」のようにも感じられるのである。つまり、「全ての人が、自分軸を、真理に向かわせる状況」のことだが、このことは、決して、全ての人がノーベル賞を受賞することを意味しているのではなく、「一灯照隅」という言葉のとおりに、「自分が行うべきことを愚直に実行し、周りの人々を楽にする」ということでもあるようだ。

別の言葉では、「働く」という言葉は、「傍の人を楽にする」という意味を持っており、実際には、「自分の行動が、どのような影響を、他人に及ぼしているのか?」を考え始める状況のことだが、今後、世界全体が、このような状態になった時に、「万灯遍照」の「素晴らしい時代」が到来するものと思われるのである。(2017.2.24)

本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6576:170324〕