本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(180)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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日銀の国債買い付け

「2017年」の「日銀による国債買い付け」については、市場の想定とは違い、大きな変化が出てきたようだ。具体的には、「年初の約410兆円から、年末の約440兆円へ」というように、「一年間で約30兆円の買い増し」という状況であり、「日銀が想定する約80兆円」からは、はるかに少ない金額となっている。そして、この理由としては、やはり、「当座預金残高の伸び悩み」が指摘できるようだが、実際には、「年初の約330兆円から年末の約368兆円へ」と「約38兆円の増加」となっているのである。

つまり、「異次元金融緩和」の正体は、実際のところ、「民間金融機関から資金を借り入れ、国債を大量に買い付ける行為」だったものと考えているが、「2017年の後半」には、ほとんど、このことが機能不全の状態となっているのである。別の言葉では、「欧米の中央銀行」と同様に、「国債買い付け金額の縮小」という、いわゆる「テーパリング」がすでに始まった段階とも想定されるが、この点については、「日銀が、いまだに、金融緩和の継続」を強調している状況とも言えるのである。

別の言葉では、「口先介入」でしか、現在の「超低金利状態」を維持できない可能性でもあるが、今後の注目点は、「いつ、市場参加者が、この変化に気付くのか?」ということでもあるようだ。つまり、「国債の買い手」が不在となった時に、「国債価格の暴落」が始まる可能性を危惧しているが、実際のところ、この時に発生する大変化については、「誰もが信じられないほどの規模になる可能性」も存在するようである。

具体的には、「日銀や国家財政の破綻」のことだが、当然のことながら、その時には、「年金」や「健康保険」の制度も、実質上、行き詰まりの状態になるものと想定されるのである。つまり、「明治維新」や「第二次世界大戦の敗戦」などの時に発生した「社会の大変革」が、より大きな規模で発生するものと想定しているが、現時点でも、この点を危惧する人は、少数派にすぎない状況でもあるようだ。

そして、目先の「株価の上昇」に浮かれているようにも感じられるが、このことは、典型的、かつ、古典的な「インフレ」の発生を象徴しているものと考えている。具体的には、「金利」や「インフレ率」が「10%台」に到達するまでの期間が、「ギャロッピング・インフレ」といわれるものであり、その後、「約6か月間のハイパーインフレ」へ移行する可能性のことだが、現在では、すでに、その動きが始まったものと思われるととともに、今後の動きが、気に掛かる状況でもあるようだ。(2018.1.4)

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ビットコインバブルの崩壊と貴金属価格の急騰

「2017年の12月」は、歴史的な大転換期だったものと考えているが、実際には、「ビットコインのバブル」が崩壊し、同時に、「貴金属価格の急騰」が始まったものと思われるからである。別の言葉では、「マネーの流れ」において、「コンピューターマネー」という「目に見えないお金」から「紙幣」という「目に見えるお金」への「壁の崩壊」が発生したものと想定している。

より具体的には、「1971年のニクソンショック」以降に大膨張した「数字上の通貨」、あるいは、私が提唱する「信用本位の通貨制度」が完全崩壊した可能性のことでもあるが、実際のところは、「2008年前後のGFC(グローバル金融危機)」が「金融の大地震」であり、その後は、「金融のメルトダウン(炉心溶融)」という「インフレの大津波」が、「約10年」という期間、我々を襲ってきたものと考えている。

つまり、「2016年7月」にピークを付けた「世界的な国債バブル」や「2017年のビットコインバブル」については、「自然界の大津波」における「海上での高波」と同様の減少であり、ほとんどの人が、その存在に気付かなかったものと想定されるのである。しかし、今回は、「インフレの大津波」が「陸地」に届いた段階、すなわち、「我々の実生活」に影響を及ぼし始めた状況とも言えるようであり、この点については、今後の数か月間が、大きな注目点とも考えられるのである。

具体的には、古典的な「三種類のインフレ」のことだが、実際には、「クリーピング(忍び寄る)・インフレ」、「ギャロッピング・インフレ」、そして、「ハイパーインフレ」のことである。ただし、今回は、前述のとおりに、「ニクソンショック以降、目に見えない数字が通貨となり猛威を振るった」という状況でもあったために、「規模」や「時間」の面で、過去のインフレとは、大きな違いが存在する状況とも考えられるのである。

そのために、今後の数年間については、これらの事実を理解しながら、丁寧に相場に対応することが、成功のために必要不可欠な条件だと思われるが、より大きな問題としては、「東西文明の交代」や「社会科学の進化」などが存在するようにも感じられるのである。つまり、「世の中は、常に進化と創造の過程にある」、そして、「全ての出来事は、人類の進化のために必要不可欠なものである」という認識が、今後、重要な点となるものと考えているが、実際には、「現代の神様」となった「お金」が、「ただの人」となるような大変化が、「人々の覚醒」を起こすものと想定している。(2018.1.5)

本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7314:180201〕