本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(240)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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科学技術が発展した理由

20世紀最大の歴史学者と言われる「トインビー」によると、「当時、それほど大した文明ではない」と理解されていた「ヨーロッパ文明」が、「突如として、科学技術文明を生み出し、世界を支配した」という状況でもあったようである。具体的には、「ニュートンの重力発見」により、その後、「自然科学」、そして、「科学技術」が飛躍的な発展を遂げ、「世界が一つにまとまった」という理解のことである。

しかも、その後に、「資本主義の発展」、そして、「マネーの大膨張」という展開となったことも理解できるが、現在では、反対に、「環境問題」や「各国の軋轢」など、さまざまな矛盾や問題が発生していることも理解できるのである。そのために、現時点で必要とされることは、「時代を遡り、根本に立ち返って、問題の原因を追究する態度」だと考えているが、この点に関して、最も重要なポイントは、「科学技術文明が発展した原因として、神通力が指摘できるのではないか?」ということだと感じている。

つまり、「なぜ、リンゴは落ちるのか?」、あるいは、「なぜ、全ての物体は地球の中心に向かって動くのか?」を考えた時に閃いたのが「重力」だったが、このことは、典型的な、「仏教」が教える「神の知恵に行き着く方法」とも考えられるのである。具体的には、「般若心経」が教えるように、「般若」という「神の智慧」に行き着くことが「波羅蜜多」であり、この結果として、「世界全体が理解できるとともに、悩みや苦労が無い世界が実現される」と考えられているのである。

このように、「自然科学」においては、「強い頭脳」という「答えのない問題を、粘り強く考え続ける態度」が、数百年前から重要視されているのだが、問題は、「社会科学」という「経済学」や「哲学」などでは、「速い頭脳」という「すでに答えが存在する問題を、早く、かつ広範囲に答えることができる態度が重要視されている状況」となっている点が指摘できるものと考えている。

つまり、「神通力により飛躍的に発展した自然科学」に対して、「人知に頼り過ぎた結果、時代遅れとなった社会科学」との「大きな違い」が、現在、さまざまな問題を発生させているものと考えられるのである。そのために、今後の展開としては、「社会科学においても、神通力が発揮される可能性」に期待しているが、実際には、「お金の謎」や「心の謎」が解明され、「戦争などの目的」ではなく「平和利用」という、「地球環境と共生できる科学技術の使い方」が認識される状況のことである。(2019.9.30)

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「分ける」と「分かる」の関係性

最近、気付かされたことは、「分ける」と「分かる」の関係性であり、実際には、「今まで分からなかったことは、正しく分けていなかったことに、主な原因が存在するのではないか?」ということだった。具体的には、「西洋の唯物論」と「東洋の唯心論」、あるいは、「自然科学」と「社会科学」などが、正しく分けられていなかったために、「何が何だか、訳が分からない状態」となっていたようにも感じられるのである。

別の言葉では、四書五経の一つである「大学」に説かれているように、「物に本末あり、事に終始あり、先後するところを知れば道に近し」という状況のことだが、私自身の問題点は、「時間」と「空間」との分類などができていなかったために、「道」という「真理」への到達が難しかったものと考えている。

つまり、「空間に存在する物質」については、当然のことながら、「神が創った自然物」と「人が作った人工物」とに分類されるわけだが、この時に考えなければいけない点は、「どちらにも、それぞれの思惑が存在するのではないか?」ということである。別の言葉では、「物質ができるためには、創造者の想いが必要な状況」のことだが、このことを、現在の「マネー」で考えると、「根本の信用」が「マネー」を創り出し、現在では、「信用」が消滅しながらも、「表面上の形」だけが、かろうじて存在する状況となっているのである。

より詳しく述べると、現在の「マネーの大膨張」には、歴史的な背景として、「自然科学の発展」、そして、「産業革命」や「資本主義の発展」などの「実体経済の成長」が根底に存在するが、現在では、この点が無視されるとともに、「お金の力」だけが重要視される状況となっているのである。つまり、「お金は無限に存在する」というような「錯覚」が、世界的に広まっている状況であり、このことが、最も象徴的に表れたのが、現在の世界的な「マイナス金利」とも考えられるのである。

別の言葉では、現在ほど、「本末転倒」が極まった状況は、「人類史上、初めての出来事ではないか?」と感じているが、残念ながら、「現代人には、この点が分からなくなっている状況」とも思われるのである。そして、この理由としては、前述のとおりに、「西洋と東洋との価値観」、あるいは、「この世とあの世の違い」などが、正しく分けられていない点が指摘できるものと思われるが、これから想定される「金融の大混乱」、そして、今までの「デリバティブの大膨張」については、人類に対して、このことを気付かせる役割が存在するものと感じている。(2019.10.1)

本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9131:191031〕