金融戦国時代の終焉
歴史を研究すると、往々にして、「不思議なサイクルの存在」に突き当たることが多いのだが、具体的には、「文明法則史学の800年サイクル」であり、また、「暦の60年サイクル」などのことである。そして、現在、私自身が気になっていることは、「800年サイクルの半分」である「400年サイクル」でもあるのだが、このサイクルについては、実際に、「マヤ暦」でも使われていたようである。
また、「なぜ、このサイクルが気にかかるのか?」という点については、「400年前の戦国時代」と「現在の金融戦国時代」には、一種の「共通点」が存在するようにも感じているからである。具体的には、「1571年」に起きた「比叡山延暦寺の焼き討ち」から、本格的な「戦国時代」が始まったようにも思われるのだが、この点を現在に当てはめると、ちょうど400年後の「1971年」に、金融史上最大級の事件である「ニクソンショック」が起きた事が見て取れるのである。
そして、その後に起きた事は、「ビルゲイツ氏」が「世界一の資産家になった」というように、「戦国時代の豊臣秀吉」と同様に、「力さえあれば、天下を取れる状況」でもあったのである。別の言葉では、「兵力」ではなく「お金の力」によって、「人間の優劣」が決められるような時代でもあったのだが、今回も、「400年前」と同様に、最後の局面を迎えているようにも感じられるのである。
具体的には、「1614年から1615年」にかけての「大坂冬の陣」から「夏の陣」において、「戦国時代」が終焉の時を迎え、ご存じのとおりに、その後は、「徳川幕府の時代」となったという事実のことである。そして、この点を現代に当てはめると、「1971年」に「金本位制」という既存のシステムが崩壊し、その後は、「信用本位制」という「前代未聞の通貨制度」が、世界中に広がっていったのだが、さすがに、現在では、大きな行き詰まりの局面に差し掛かってきたようである。
そのために、今後は、本格的な「金融大混乱」が訪れるものと考えているが、この時に考えなければいけない点は、「1971年以降、どれほどの金融商品が創り出されたのか?」ということであり、また、「影も形もない、単なる数字」が「根本的な通貨」となり、「コンピューターネットワーク」の中で、大膨張したということである。つまり、「現代の通貨は、裸の王様になった」ということだが、この点に関する大事件が起きるのが、「今年の冬」のようにも思われるのである。(2014.9.26)
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世界の「失われた20年」
日本の「失われた20年」については、誰もが認める事実であり、実際に、実体経済の指標である「GDP」は、この間、ほとんど伸びなかったことが見て取れるのである。しかも、この期間中は、日本では「ゼロ金利」の状態であり、実際に、「個人」や「企業」などが受け取る金利も、ほとんどゼロの状態だったのだが、この原因として挙げられるのが、今から20年ほど前に起きた「アメリカのデフォルト騒動」だったようである。。
具体的には、「1990年の日本バブル崩壊」、そして、「1991年のソ連崩壊」を受けて、「1995年」に「アメリカのデフォルト(債務不履行)」が真剣に危惧されたのである。そして、「過去20年間」に起きた事は、世界的な「マネーの大膨張」であり、このことが結果として、「アメリカの財政問題」や「金融システムの行き詰まり」を隠す効果があったようにも思われるのである。
より具体的には、「デリバティブ(金融派生商品)」の残高が、当時の「約3000兆円」という規模から急増し、その後、「2000年に約8000兆円」、そして、「2007年には約8京円」という「信じられないほどの規模」にまで膨らんだのである。別の言葉では、かつて共産主義国であった「ソ連(ロシア)」や「中国」までもが「資本市場」に参入したために、これほどまでの「金融商品の拡大」が起きたものと考えているが、このことは、世界の「失われた20年」とも言えるようであり、また、今後の展開を考えると、まさに、恐るべき事態が待ち構えているようにも思われるのである。
つまり、「1995年」と「現在」とを比較すると、「デリバティブ」のみならず、「中央銀行のバランスシート」や「先進国の国家債務」などが、文字どおりに「桁違いの金額」にまで膨らんでいるのである。しかも、現在では、「日米欧の国々が、最後の段階まで、問題の先送りを図っている状況」とも言えるために、先送りの限界点に達した時の「大混乱」が気にかかる段階とも言えるのである。
別の言葉では、「第二次世界大戦時に、どのような展開で敗戦を迎えたのか?」ということだが、実際には、「神風特攻隊」により「戦力」が激減している状況下で、「原爆投下」という悲惨な事件が起きたのである。そして、このことを、現在に当てはめると、「日銀のマイナス金利」が「神風特攻隊」に相当し、「原爆投下」が「金融界の大量破壊兵器」と言われる「デリバティブの崩壊」に当てはまるようにも思われるが、この時に気になるのが、最大の保有国である「イギリス」でもあるようだ。(2014.9.26)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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〔opinion5026:141022〕