本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(84)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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スパイダーゴールドの金(ゴールド)

3月6日に、世界で話題になったこととして、「HSBCが、ロンドンに存在する、7つの金保管庫をすべて閉鎖するのではないか?」ということがあった。具体的には、「顧客に手紙を出し、2か月後に、全ての金保管庫を閉じる」というものだが、この時に、問題視されたのが、「スパイダーゴールド」という「金のETF」だった。つまり、現在では、「約753トンもの金(ゴールド)」が、ロンドンに存在する「HSBCの金庫」に保管されているはずなのだが、この時に、「金の保管庫を閉めることは可能なのだろうか?」ということである。

そのために、この点については、真偽を確かめる必要性が存在するが、一方で、以前から言われていた「スパイダーゴールドは、実質上、金を保有していないのではないか?」という点について、今回の「噂」は、新たなヒントを与えてくれているようである。つまり、かりに、「金庫」が閉じられるとすると、その時には、「スパイダーゴールドは、金を保有していない」ということが証明されるからである。

つまり、世界最大の「金のETF」である「スパイダーゴールド」に関して、信用が失墜するだけではなく、世界の金融システムに関して、重大な事件になることも予想されるのである。別の言葉では、私が想定する「国債」と「金」との「金融大戦争」において、「国債を守る陣営」が、完全に敗北を認めざるを得ない状況のことだが、問題は、「この時に、どのような事が起きるのか?」ということである。

具体的には、世界的な「国債価格の暴落」であり、また、「中央銀行による紙幣の大増刷」が予想されるのだが、実際には、このことが、本当の「インフレ」であり、「通貨価値の下落」を意味している。つまり、「政府」や「通貨」に対する信頼感により、「物価の安定」が守られているのだが、現在では、この点が忘れ去られており、単に、「実物商品の価格」だけを見て、「インフレ」や「デフレ」が議論されているのである。

その結果として、現在では、未曽有の規模で「金融商品」や「通貨(お金)」が、世界に存在するものの、同時に、世界的な「金融コントロール」により、いろいろな商品価格などが操作されているとも言われているのである。つまり、一種の「価格統制」のような状況が、世界の金融界で起きている可能性のことであり、この点については、間もなく、事実関係が明らかになるようだが、実際には、このことが、私の想定する「金融敗戦」であり、また、「金融大地震とインフレの大津波」のことである。(2015.3.17)

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ロシアの暗殺事件言

2月27日に、「ロシアの野党指導者であるネムツォフ元第1副首相が、撃たれて死亡する」という事件が起きた。そして、「誰が、この事件の黒幕なのか?」について、いろいろな推測記事が出ているが、興味深い点は、「日本と海外とで、大きな違いが存在する」という事実である。つまり、日本においては、「プーチン大統領によるものではないか?」という意見が多数を占めているようだが、海外では、驚いたことに、「CIAの陰謀説」を信じる人も、少なからず存在するのである。

そのために、「事件の真相」については、今後の報道を待つ必要性があるが、確かに、「国民から85%の支持を得ているプーチン大統領」にとって、「ネムツォフ氏の暗殺」は、「ロシア国内の安定」を妨げる効果が存在するようである。つまり、今回の事件は、プーチン大統領にとっては、望ましくない出来事だった可能性もあるようだが、「事実は小説よりも奇なり」という言葉のとおりに、「現在の世の中では、どのような事件が起きても不思議ではない状況」とも言えるようである。

また、「2月に起きた事件は、その年の象徴的な出来事になる」ということが「私の経験則」でもあるが、今年の場合には、「ロシアの暗殺事件」に加えて、「川崎の少年殺人事件」や「大塚家具の内紛劇」、そして、「西川大臣の辞任」など、実に、陰湿な出来事が頻発した。そして、このことが、今年の末頃に、より大きな事件となって表れてくるものと考えているが、実際には、「国民」と「国家」との関係性において、「何らかの事件」が起きるようにも感じられるのである。

具体的には、「国民が、政府に対する不満感や不信感を増幅させる恐れ」であり、その結果として、現在の「預金神話」が崩壊する可能性のことだが、この点については、現在の「日本国債の価格(金利)」が、大きな意味を持ってくるようだ。つまり、私が想定する「国債バブルの崩壊」が、「日本」のみならず、「全ての先進諸国」で起きた場合に、「どのような状況が発生するのか?」を考える必要性が存在するようだが、この時には、世界の「金融システム」や「通貨制度」が、崩壊する危機も存在するのである

しかし、この点については、前述の「ロシアの暗殺事件」と同様に、「日本」と「海外」とで、大きな「認識の違い」が存在するようだが、「時は全てを証明する」という言葉のとおりに、今年の年末ごろには、結果が判明するものと考えている。そして、その時には、「誰が、ネムツォフ氏を暗殺したのか?」も判明している可能性も存在するようだ。(2015.3.17)

本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion5293:150415〕